メタ復活の兆し、カギはAI投資と広告シフトPhoto:Bloomberg/gettyimages

 メタ・プラットフォームズが昨年11月に初の大量解雇に踏み切る数日前、上級幹部の一人が朗報をもたらした。短編動画機能「リール」でユーザーの関与(エンゲージメント)が増えているほか、ライバルのアプリ「TikTok(ティックトック)」の脅威が薄れているようだとの報告だった。

「フェイスブックのエンゲージメントは、人々が予想するより好調だ」。フェイスブックのトップを務めるトム・アリソン氏はスタッフ宛てのメモでこう述べた。「内部データは、メタが短編動画市場で有意なシェアに成長していることを示している」

「フェイスブック」と「インスタグラム」を運営するメタは、創業以来最も困難な年を経て回復の道筋が見え始めている。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が確認した内部文書や事情に詳しい関係者への取材で明らかになった。

 取材した人たちの話や内部文書によると、人工知能(AI)ツールへの多額の投資で広告のターゲットを絞るシステムが向上し、以前よりも少ないデータで的確な予測ができるようになった。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は昨年、「フェイスブック・ファーストではなくメタバース・ファースト」になると宣言したものの、取り組みのほとんどはフェイスブックを中心とする従来のソーシャルメディアプラットフォームの最適化に関わるものだ。