コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2022年10〜12月度の居酒屋チェーン編だ。
コロワイド、ワタミ、鳥貴族、天狗
居酒屋各社で「1番苦境」といえるのは?
居酒屋チェーンの主要4社が発表した10〜12月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯コロワイドグループ(コロワイド)の既存店売上高
10月度:前年同月比113.3%(13.3%増)
11月度:同103.3%(3.3%増)
12月度:同105.6%(5.6%増)
◯ワタミの国内外食事業(既存店)
10月度:前年同月比140.3%(40.3%増)
11月度:同121.2%(21.2%増)
12月度:同116.1%(16.1%増)
◯鳥貴族の既存店売上高
10月度:前年同月比165.2%(65.2%増)
11月度:同121.8%(21.8%増)
12月度:同116.3%(16.3%増)
◯天狗グループ(テンアライド)の既存店売上高
10月度:前年同月比134.7%(34.7%増)
11月度:同112.6%(12.6%増)
12月度:同110.5%(10.5%増)
12月度において、今回取り上げている4社全てが前年実績を超えている。しかし、22年11〜1月にかけて、新型コロナウイルス感染拡大「第8波」が猛威を振るった。
そんな状況下において、居酒屋業界は本当に数字通り「好調」だったのだろうか?残念ながら、そうとはいえない。
では、コロワイドグループ、ワタミ、鳥貴族、天狗グループ、この中で「最も苦境にある」といえるのはどこなのか。