今回は、2007年10月に経営破綻した英会話学校「NOVA」を取り上げる。「駅前留学」のキャッチコピーと、公式キャラクターNOVAうさぎで一大ブームを起こした同社は、なぜ倒産に陥ったのか。その裏には急成長を支えていた前払い受講料の落とし穴があった。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)
英会話学校「NOVA」 は
なぜ経営破綻したのか?
今回は、英会話学校事業を展開していた「NOVA」の倒産を取り上げる。
NOVAは、1981年に設立されたノヴァ企画を母体とし、90年代には「駅前留学」をキャッチコピーにして事業を急拡大させてきた。96年11月には株式を店頭登録し、その後2004年12月にはジャスダック上場を果たす。05年には拠点数が900に到達。06年には海外(台湾)にも拠点展開を開始していた。
しかしながら、その後07年10月に大阪地裁へ会社更生法の適用を申請し、経営破綻することになる。
NOVAが倒産に至った経緯とその理由は何だったのだろうか。00年3月期から倒産直前の決算期である07年3月期までの8期分の決算書データを使って読み解いていこう。