今回は、2015年1月に経営破綻した航空会社「スカイマーク」を取り上げる。高利益率と無借金経営を実現し、優良企業に見える同社はなぜ倒産に陥ったのか。その理由を探ると、敏腕社長がはまった「落とし穴」が見えてくる。(中京大学国際学部・同大学院経営学研究科教授 矢部謙介)
高利益率を誇ったスカイマークは
なぜ倒産してしまったのか?
2022年12月に東証グロース市場へ上場することが承認されたスカイマーク。15年1月の経営破綻から8年弱を経ての再上場となる。
スカイマーク(創業当時の社名はスカイマークエアラインズ)は、96年にエイチ・アイ・エスの創業者としても有名な澤田秀雄氏らによって創業された日本初の新規参入航空会社だ。創業後、しばらく業績が低迷したが、00年5月には東証マザーズに上場し、04年1月にIT企業の創業者である西久保愼一氏が社長に就任すると、業績は徐々に改善していく。13年11月には上場市場を東証1部へと変更し、ANA、JALに続く航空業界の風雲児として、その名をはせることになった。
しかし、西久保氏が社長に就任してから10年あまりが経過した15年1月、スカイマークは民事再生法の適用を申請することになる。スカイマークが倒産した原因は何だったのか。今回は、その理由について探っていこう。