「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』のコラムから特別に一部を抜粋して紹介する。
英語版ウィキペディアが英語の学習に役立つワケ
映画を視聴した後に英語版ウィキペディアのその作品のページを開いて、plot(あらすじ紹介)を読んでみるという学習法を何年も続けている。毎回、「あの場面をこんな英語で表現できるのか」という新鮮な学びがあるのでお薦めだ。
ここでは、『となりのトトロ』(英語タイトル:My Neighbor Totoro)を例にとって説明しよう。
入院中の母親にトウモロコシを届けたサツキとメイ。両親の会話によると母はただの風邪で、元気そうに話す母を見て安心するというシーンが、以下のように説明されている。
The girls overhear a conversation between their parents and learn that she has been kept in hospital by a minor cold but is otherwise doing well.
姉妹が両親の会話を(気づかれずに)聞くoverhearや、軽い風邪を意味するminor cold、風邪である以外は元気というis otherwise doing wellなどは、なかなかすっと出てこないのではないだろうか。
このように映画の場面が頭に入った状態で読むと、各単語のニュアンスや使いどころがはっきりと見えるようになる。そのため、表現力を伸ばすのにとても有効な学習法だ。
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)