下図の「WHOとWHATの組み合わせ」を見てください。大事なことなので繰り返しますが、価値はあくまでお客さま側が見いだすものであって、企業側は「あなたにとって、価値があるかもしれませんよ」と、便益と独自性を提案しているにすぎないのです。とくにマーケティングに携わる人は、自分たちがお客さまに価値を提供していると考えるのではなく、「お客さまは何に価値を見いだすのか」を起点にする必要があります。これは、どんなビジネスであっても忘れてはならない重要なポイントです。

 では、ここで「価値とは何か」をまとめます。

【価値とは……】お客さまが持つ有限の資産(貨幣・時間・体力・脳力〔脳を使用する力〕)と交換して入手したいと思う「便益」と「独自性」への欲求であり、お客さまがプロダクトに見いだすものである。

 マーケティングに携わるうえでとても大事なことです。このことがわかっていれば、WHOとWHATの価値づくりに目を向けるため、安易にHOWに飛びつくこともなく、マーケティングの樹海をさまようこともないからです。