危険薬物の世界で新たな脅威が広がりつつある。常用すると深刻な皮膚の損傷を引き起こす恐れがある動物用鎮静剤だ。  2021年に薬物乱用による死者が過去最高の約10万7000人に上った米国で、薬物に危険な成分が混じっているケースが増えている。その一つが動物用としてのみ認可されているキシラジンで、合成オピオイドの一種であるフェンタニルと混合されることが多い(フェンタニル自体、コカインやメタンフェタミンなどの流通経路にのって米国で広く出回っている)。混入成分は一定ではなく、自分が摂取している薬物に何が含まれているか知らずに使用している人も多い。