短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。【がっちりマンデー!!】(TBSテレビ系)のSNSで、「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜され話題となっている。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。

【効果絶大】「短時間で10倍の成果を上げ続ける人」に共通する、たった1つの思考グセとは?

「原因解消思考」の限界

 前回まで、目標達成するときの思考法として2つ紹介した。

 一つは、原因を考え、それを解消する「原因解消思考」。

 もう一つは、最終的にどうなりたいかから逆算して考える「最終目的逆算思考」。そして、XさんとYさんの「原因解消思考」とZさんの「最終目的逆算思考」を紹介した。

 別の例で考えてみよう。

 あるカップルがいた。

 自分はインドア派でゲームをしたりビデオを見たりするのが好きだが、パートナーはアウトドア派で、自然と触れ合ったりスポーツをしたりするのが好きだ。

 2人は休みのすごし方で揉めることが多かった。

 互いに「どうすれば相手が自分の趣味を理解してくれるだろうか」と悩んでいた。

 つまり「原因解消思考」になっていたのだ。

 頭を切り替え、「最終目的逆算思考」で考えると、ゴールは「相手が自分の趣味を理解すること」ではなく、「休日を2人で楽しくすごすこと」だとわかった。

「着眼法」で「趣味が違うのに休日を仲よくすごしているカップル」を探して話を聞くと、「週替わりで交互にイニシアチブを取るルールにしている」と言う。

 ある週は自分の趣味に相手がつき合う。翌週は相手の趣味に自分がつき合う。

 2週に一度、相手の趣味につき合っていると、少しずつ互いの趣味の面白さを理解できるようになったという。

 でも、必ずしも理解する必要はない。

 少なくとも2週に一回は自分の趣味に相手がつき合ってくれるから互いに楽しくすごせる。

原因だと思っていることが、
原因でも何でもないことがある

 原因だと思っていたことは、実は原因でも何でもなかった。

 2人が楽しくすごす方法が見つかっていないだけだったのだ。

 問題が起きたときに「原因」を解消しようとすると、迷宮に入ってしまうことがある。

 みんなが原因だと思っていることが、原因でも何でもないということがある。

 本書や前回までに紹介した、Xさんの筋力不足、Yさんのリーダーシップ不足は原因でも何でもない。

 いかがだろう。

 世の中でうまくいっている人は、常に目的を見直し、目的への最短ルートを探している。

 この「思考アルゴリズム」によって10倍の成果を上げ続けることができるのだ。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)