短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。発売前から「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが注目の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。
45日であなたの脳は
完全に書き換えられる
前回、短時間で成果を上げ続けるための黄金法則、
成果=スキル×思考アルゴリズム
を紹介した。
「思考アルゴリズム」は私の造語だが、「考え方のクセ」と考えたらわかりやすい。
当社の社員は、定期的に私が講師になって行う「思考アルゴリズム研修」を受ける。
そこで数々の成功者の教えや現場体験から法則化された「最短で最大の成果を上げる思考アルゴリズム」を学ぶ。
本書では、この研修で特に評判がよく、再現性の観点から有益な箇所を「45の法則」にまとめた。
1日1法則インストールすれば、約1か月半(45日)であなたの脳は完全に書き換えられるだろう。
なお、巻頭ジャバラ裏面に「★すぐに成果が出る法則(若手向け法則)」「★★ゲームチェンジを生み出す法則(中堅向け法則)」「★★★大きな成果を生み出す法則(幹部向け法則)」を収録。ホップ、ステップ、ジャンプで「思考アルゴリズム」が一新されるようになっている。
最初から読んでもいいし、興味のあるところから拾い読みしてもいい。
ちなみに、巻頭ジャバラ「オモテ面」(下)と「ウラ」(上)はこうなっている。
社員、アルバイト、社長や管理職、
起業家の気持ちがわかる理由
私は新卒で株式会社リクルートに入って営業マンを経験し、いくつかのアルバイトや企業を経て、たった一人で創業した。
だから一般社員の気持ち、アルバイトの気持ち、社長や管理職、起業家の気持ちのそれぞれがよくわかる。
誰が、どこで、どうつまずくかも熟知しているつもりだ。
また、創業まもなく詐欺に遭い、無一文にもなった。
だが、それをバネに史上初の4年連続上場も果たした。
自ら起業して東証プライム上場企業にまで育て上げ、現役で社長を務めている人は約120人いるが、そのうちの一人となった。
現在もビジネスの最前線で、社長兼現役マーケッターとしてお客様や社員たちと接している。
だから、この本は新人、中堅、ベテラン、管理職、経営者などすべての人に役立つだろう。
これまでは、たまたま一流の上司についた人だけが成果を上げることができた。
やる気に頼らず、楽しみながら
成果を上げ「続け」るために
しかしこれからは、上司の性格や力量に関係なく、成果を出せる人の「思考アルゴリズム」をインストールすれば、誰でも成果を上げ続けることができる。
この成果を上げ「続け」るというのがミソだ。
1回、1か月、1年だけでは意味がない。
世界的にSDGs(Sustainable Development Goals)が叫ばれ、持続可能性が問われる今、個人も企業も息長く活躍し続けることが重要だ。
ただそれは簡単じゃない。
スタートアップ企業の10年生存率は極めて低い。
日々複雑化が増す現代社会において、会社で成果を上げ続けている人がある日突然、メンタルダウンに陥ることも少なくない。
このような時代背景を踏まえ、本書では、気合や根性で成果を上げるノウハウを詰め込むのはやめた。
いかにやる気に頼らずに、楽しみながら成果を上げ続けられるかに重点を置いた。
パラパラめくって面白そうなところを、ピッと思いついてパッと行動すれば、「ピッパの法則」(本書参照)が稼働し、あなたを強力にサポートしてくれるだろう。
あなたの人生は大きく変わる
本書の法則を一つでも多く実行すれば、あなたの人生は大きく変わることを約束する。
この本が、自信を持って人生を歩む出発点になったら嬉しい。
全体構成はこうなっている。
第1章では、「すぐやる人の思考アルゴリズム」を紹介する。
なにごとも、すぐやれば成果が上がり、チャレンジ回数も増える。
いかに「すぐやる人」がすべてを手に入れてしまうかを実感するだろう。
第2章では、「必ず目標達成する人の思考アルゴリズム」をお伝えする。
常に目標達成する人と、達成したりしなかったりする人は、そもそも考え方が違う。
「重要」かつ「急ぎ」の案件が複数あったとき、どうやって優先順位を判断するか。
やる気に頼らずに“考え方のクセ”を変える方法を紹介しよう。
第3章では、「ノーミス人間になる思考アルゴリズム」に触れる。
実は、あなたは成果を上げ続ける能力をすでに持っている。
だが、同時に、極端に成果を妨げる“欠落的欠点”も持っている。
これが一つでもあると、どんなにすばらしい「考え方のクセ」をインストールしても台無しになる。
これは脅しではない。本当だ。
だが、ほんの一つ「足かせ」を外すだけで、瞬時に成果を上げ続ける人に生まれ変わる。
第4章では、「自分で考え行動する人の思考アルゴリズム」を紹介する。
「答えのない時代」に突入したといわれて久しいが、人は2種類に分かれる。
「自ら問題を発見して解ける人」と「誰かが解いた答えに従う人」。
まさに「時間最短化、成果最大化できる人」とは、「自ら問題を発見して解ける人」だ。
彼らが日頃、どんなことを考え行動しているか、どんなメソッドを使っているか。
行動フォーカスの観点から具体的に紹介しよう。
第5章では、「成功者の思考回路をコピーする」をお伝えする。
コロナ以降、時代は大きく変わった。
パソコンで何を見て、誰と交流し、どんなことを話しているかで、大きく成果が変わる。
凡人も成果を上げ続けられる人も、横一線!
まったくフェアな環境に一変したのだ。
だが、みんなそれに気づいていない。
ならば、いち早く成功者の思考回路をコピーした人だけが先に行く。
成功者は無意識レベルですぐ行動に移し、成果を上げ続ける。
ここでがっちり成功者の思考回路をコピーすれば、あなたの人生も大きく変わるだろう。
新しい「考え方のクセ」が
自動的にインストール
最後に、なぜ、この本を書いたか?
私は日々、思いついたことをツイッターで投稿しているのだが、多くのビジネスパーソンに支持いただき、フォロワーが増えた。
それがきっかけで私の経営手法をまとめた初の書籍『売上最小化、利益最大化の法則』を出させていただいたが、これが多くの方から反響を得た。
「この本に書いてあることを実行しただけで、年間利益が6000万円増えた!」
「この本のとおりにやったら、純資産が3倍になった!」
などの声をいただいた。
そのうち、ツイッターで多くのフォロワーから、
「木下の思考回路自体を知りたい」
という投稿をいただくようになってきた。
今回、その感謝の意味で、現時点でのベストの回答を出し惜しみなしで本書に収録した。
だが、安心してほしい。
ゴリゴリの精神論を排し、ゆるさと強(したた)かさの微妙なバランスをチューニングしてある。
新しい「考え方のクセ」が自動的にインストールされるようになっているのだ。
数時間後、あなたが成長している姿をありありとイメージしながら、リラックスして読むといい。
あなたは必ず変われる。
いや、変わろうとしなくても勝手に変わっているはずだ。
楽しみにしていてほしい。
(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)