「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。
「走る」以外の意味で、runを使えますか?
run:(1)「流れる」、(2)「(痛み・寒気などが)走る」、(3)「運行する」、(4)「~を経営・運営する」(5)「(道などが)伸びている」、(6)「上映・上演される」、(7)「(ストッキングが)伝線する」
runはもちろん「走る」という意味が基本だが、文字通り「走る」だけでなく、走ったり走らせたりするイメージがあるものに対しても使われる。
まずは「(水が)流れる」場合、英語ではrunを用いる。running waterなら「流水」だ。川が流れたり、または鼻水が出ることもrunを使って表現できる。
また、日本語でも「痛みが走る」と言うが、英語でもこれにrunを用いる。「痛み(pain)」の他、「寒気(chill)」などに対しても使われる。
この他、「運行する」「経営・運営する(これもある意味、会社や組織を「走らせている」と考えられる)」「道などが伸びている、通っている」「上映・上演される(日本語でも「ロングラン」のように言う)」「(ストッキングが)伝線する」などの意味でも用いる。
これら全てに「走る・走らせる」というイメージがあるのが見て取れるだろう。
(1)「流れる」
Alice left the water running.
「アリスが水を出しっぱなしにした」
The river runs through the town into the sea.
「その川は街を通って海へと流れている」
My nose is running and I can’t stop sneezing.
「鼻水が出ていて、くしゃみが止まらない」
◆ My nose is running. で「鼻水が出ている」。これと関連してrunny nose(鼻水が出ている症状)という表現を覚えておこう
Blood was running down his face.
「血が彼の顔を流れ落ちていた」
(2)「(痛み・寒気などが)走る」
A sharp pain ran through my back.
「鋭い痛みが背中に走った」
A chill ran through me.
「寒気がした」
(3)「運行する」
The ferry runs every 30 minutes.
「フェリーは30分おきに運行している」
(4)「~を経営・運営する」
Andy runs a food delivery business in Portland.
「アンディーはポートランドで食品配達のビジネスを経営している」
(5)「(道などが)伸びている」
The highway runs from Sydney to Newcastle.
「そのハイウェーは、シドニーからニューキャッスルまで伸びている」
◆ 〈ミス防止〉「伸びている」につられてis runningとしないこと。進行形は「(いつもしているわけではないが)今はその動作をしている」という時に用いるもの
A ventilation pipe runs across the ceiling.
「通風管が天井を横切って伸びている」
◆ 「道」以外にも、様々なものが「伸びている」という場合に使われる
They ran the cables under the floor.
「彼らは床下にケーブルを通した」
◆ 「伸びている」だけでなく「(ケーブルなど何か長いもの)を伸ばす、走らせる」という意味でも用いられる
(6)「上映・上演される」
The musical ran for nearly six years on Broadway.
「そのミュージカルは、ブロードウェーで6年近く上演された」
(7)「(ストッキングが)伝線する」
How do I stop my stockings from running?
「どうすればストッキングの伝線を防ぐことができるでしょうか」
□ chill(名)寒気
□ ventilation(名)換気、空調
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)