「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」や「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』のコラムから特別に一部を抜粋して紹介する。
パーツがわかれば単語の意味を推測できる
「部首」とは漢字を構成するパーツであり、それぞれ固有の意味を持つ。例えば「氵(さんずい)」は「水」に、「亻(にんべん)」は「人」に関係した意味を表すのはご存じだろう。
実は、英単語にも漢字の部首と同じ働きをするパーツがある。以下の単語を見てほしい。
enlarge / enrich / sharpen / sicken
一見して「en」が単語の前、または後ろに付いているのに気づいたことだろう。この「en」は「~にする」という動詞を作るパーツだ。こうした知識があれば知らない単語の意味を推測するのに役立つ。
enlargeを見たことがない人もlarge(大きい)なら知っているはず。これは〈en+large〉(大きくする)から「~を拡大する」という意味の動詞だと分かる。同じくenrich(en+rich)は「~を豊かにする」。enが後ろに付いても考え方は同じだ。sharp(鋭い)にenが付いたsharpenは「~を鋭くする、とがらせる」、sicken(sick+en)は「~の気分を悪くさせる」という意味になる。
outが単語の前につくと「~よりまさる」
他にも覚えておくと便利なパーツがout-。これは単語の前に付いて「~よりまさる」という意味を加える働きがある。例を挙げると、outnumber(~に数でまさる、~より数が多い)、outlive(~より長生きする)、outsell(~より売れる)、outwit(~を出し抜く ※witは「知力」)などだ。
こうしたパーツに関する解説は、『ジーニアス英和辞典』(大修館書店)が詳しい。この知識があれば単語の意味を推測するのに役立つのはもちろん、単語を覚えるのも楽になっていくので大変便利だ。
(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)