「ビジョン達成のためにどんな方法を取るのか?」
「他の人たちと違うやり方をするのか?」
「独自の道を見出だすのか?」
「競争上の差別化要因をどうやって作っていくのか?」

 このように、具体的な中身の高度さ、緻密さを探っていく。

 3つ目は、物事を変えてゆく「変革志向」だ。

「現状打破のために何をすべきか?」
「変化の方向性はどのようなものであるべきか?」
「どうすれば、人々が熱狂して変革に取り組めるか?」

 その他、他人と協調できるかどうかや、人を育成する能力があるかなど、さまざまなコンピテンシーがある。

相手の「意見」ではなく
「取った行動」にフォーカスする

 コンピテンシーを見抜くための必須技術。それは「エピソード・ベースのインタビュー」だ。

 例えば、入社志望者が前職の自部門で問題が発生し、お客様と関係がこじれてしまった経験があったとする。その場合、どのようにして問題を解決したのか、リアルなエピソードを聞いていくのだ。

○「そのとき、あなたはどのようにして問題を解決しましたか?」

 もし出てきたエピソードが、「仲間と協働して人間関係で問題解決した」なら、「協働」「チーム」関係のコンピテンシーにつながりそうだなと認識して深掘りしていく。「計画を見直して根本的に再発を防いだ」ということなら、「戦略」「変革」あたりのコンピテンシーが高いかなとあたりをつけ、評価していくのである。

 プライベートの婚活でも、これは活用できる。お相手に対して「あなたの自慢話を聞いてみたい、あとは苦労話もぜひ知りたい」と質問してみてはどうだろうか。出てきたエピソードを、そのまま聞き流すのではもったいない。

 例えば、苦労話として、大学生の頃、「サークルの部長と合わなかったんだよ」という話があったとする。ここで相手の「意見」を聞くだけでは、実は意味がない。

 そうではなく、具体的に、「あなたはそのとき、何をしたの?」と、相手が取った「行動」にフォーカスして深掘りすることで初めて、有益な情報=コンピテンシーが見えてくるのだ。

 それで初めて、今後、自分と付き合った場合、似たような場面でこの人はどんな行動を取りがちなのかという、未来の2人の姿を想像することができるのだ。

 意見は無意味。行動が全てなのだ。