「意見はありますか?」
こう聞いても、誰からも意見が出てこない……。「うちにはどうして、いい人材がいないのか…」と思い悩んではいないだろうか。
しかし問題は人材ではなく「最初の質問(問いかけ)」が悪いことにある。意見が出にくい職場では、無意識のうちに意見が出にくい問いかけをしているのだ。
「問いのプロフェッショナル」の2人が提唱する”聞き方”とは? ベストセラー『「なぜ」と聞かない質問術』の著者・中田豊一さんと『冒険する組織のつくりかた』著者である安斎勇樹さんが、それぞれの知見から「職場のコミュニケーションの悩み」を解決へ導く。(構成協力/高関進・構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
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小さく具体的に聞けば意見は出やすい
そのためには、最初に「そもそもこれがわからないと意見を出せないよね」という前段階にブレークダウンして、小さく具体的に聞いていくようにする。
一般的には「クローズドクエスチョン(選択肢に閉じた質問)」はよくないとされていますが、『新 問いかけの作法』ではむしろ推奨しています。まず「はい/いいえ」で答えてもらって、そのあと意見を聞いたほうが答えやすい。確実に答えられる「小さな質問」から入るようにすれば、参加者も話しやすくなると思います。
『新 問いかけの作法』(安斎勇樹・著 2025年11月発売)
「意見はありますか?」と聞かれて、すぐに自分の意見を答えられる人は少数派です。進行を任された人は、「答えやすい質問」を自分であらかじめシミュレーションしておくことです。それからちょっとずつハードルを上げて、ゴールに近づいていくやり方がいいと思います。『「なぜ」と聞かない質問術』で紹介している事実質問で言えば「途中でどこか疑問に思ったことはありましたか?」などのような「思い出す」だけで答えられる質問がオススメです。
なので、ファシリテーターを任された人は、「どうすればみんながプレッシャーを乗り越えて自然に意見が言えるだろうか?」という発想で会議に臨むといいと思います。
意見を聞く前の「ワンクッション」が大事
『「なぜ」と聞かない質問術』(中田豊一・著)
ただそのためには、同僚同士でパッと話ができるように、ふだんから社内をアレンジしておく必要がありますが。
それをもとに「疑問に思ってることを、隣の人と話してみてください」と指示すると、みんな話し始めるんですね。そのあとに「何か聞いてみたいことのある人は?」って言うと、意外に手が挙がります。
じつは「意見を出す」「質問をする」って、複雑な思考過程の末とか、いろんな「空気」を乗り越えて到達できるものなんです。「質問が出てこないとき」というのは、まだその段階まで至っていないだけ。逆に言えば、そのための「場づくり」さえ工夫すれば、乗り越えられると思います。
(本記事は『「良い質問」を40年磨き続けた対話のプロがたどり着いた「なぜ」と聞かない質問術』の一部を抜粋・調整・加筆した原稿です)









