欧州の指導者たちは軍事支出の拡大で米国に続くべきかどうか長年議論してきたが、昨年始まったロシアのウクライナ侵攻は、ようやく重い腰を上げるために必要な衝撃だった。
北大西洋条約機構(NATO)の加盟各国は、軍事支出拡大の約束を実際の軍備調達・生産に迅速に結び付ける必要がある。ウクライナ軍が西側諸国から供与された装備を想像もしなかった速度で消耗させている上、中国との軍事衝突の脅威が高まっているからだ。
状況の変化が最もはっきり表れているのは欧州最大の経済大国ドイツだ。同国は軍事装備品が老朽化しているにもかかわらず、国防支出を何年も遅らせ、新型戦闘機の選定を先送りしてきた。現在は軍事費を拡大しているだけでなく、米国の最新型戦闘機の生産ラインを国内に受け入れる可能性すらある。