雪の中の琵琶湖線・通勤電車琵琶湖線の通勤電車 Photo:PIXTA

1月24日に大雪の影響で東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)が立ち往生し、乗客約7000人が車内に閉じ込められたトラブルについて、JR西日本は2月17日、国土交通省近畿運輸局に対して発生当時の状況と改善策を提出した。今回の問題はなぜ起きたのか。その原因について解説する。(鉄道ジャーナリスト 枝久保達也)

大雪で最も厄介な
ポイントの凍結

「10年に1度」とされる寒波が訪れ、日本海側を中心に大雪となった1月24日の夜の出来事だった。18時頃から降り始めた雪が15センチの積雪を記録した京都府内で、東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)の15列車が立ち往生し、乗客約7000人が車内に閉じ込められたトラブルについて、JR西日本は2月17日、国土交通省近畿運輸局に対して発生当時の状況と改善策を提出するとともに記者会見を行った。

 大寒波については、気象庁と国土交通省が前日23日の時点で大雪や暴風雪、路面凍結、交通障害などに警戒するよう呼び掛けていたが、今回の問題の根本は事前の情報に対して十分な備えをしなかったことに尽きる。

 大雪が都市部の鉄道に与える影響は、ブレーキ性能の低下、架線の凍結、パンタグラフの降下など多岐にわたるが、最も厄介なのがポイントの凍結(ポイント不転換)だ。

 進路を切り替えるために可動する線路の隙間に雪が挟まり、凍結すると線路の切り替えができなくなり、運行できなくなる。そのため一定の降雪が予想される場合は、ポイントを加熱して凍結を防止する「融雪器」と呼ばれる装置を、降雪前に稼働する必要がある。

 大阪、京都、神戸を中心に都市部の鉄道を管轄するJR西日本近畿統括本部は2020年、それまで各支社、各駅に判断を委ねていた降雪時の対応基準を、「積雪10センチに至るおそれがある場合に融雪器を稼働する」と定めた。これは2010~2019年度、近畿統括本部管区内で発生したポイント不転換は、いずれも積雪15センチ以上だったことを根拠としている。