「1日3食では、どうしても糖質オーバーになる」「やせるためには糖質制限が必要」…。しかし、本当にそうなのか? 自己流の糖質制限でかえって健康を害する人が増えている。若くて健康体の人であれば、糖質を気にしすぎる必要はない。むしろ健康のためには適度な脂肪が必要であるなど、健康の新常識を提案する『ケトン食の名医が教える 糖質制限はやらなくていい』(萩原圭祐著、ダイヤモンド社)。同書から一部抜粋・加筆してお届けする本連載では、病気にならない、老けない、寿命を延ばす食事や生活習慣などについて、「ケトン食療法」の名医がわかりやすく解説する。(初出:2023年3月25日)

病気になりたくなかったら、真っ先にやめたほうがいい食事の習慣とは?【書籍オンライン編集部セレクション】Photo: Adobe Stock

毎朝パン食は、おすすめしない

 同じ糖質でも、体に与える影響はかなり違っています。

 特に糖尿病や、のちにがんになる危険性を考えれば、データを見る限りあまりおすすめできないのは「主食をパンにすること」です。

 実際に私は外来で、来院したがん患者さんに朝食の習慣を尋ねています。すると、みなさん判で押したように、ほとんどの方が「朝食はパン(精製された白いパン)」という生活を長年にわたって続けていることがわかりました。

 朝食に、ご飯(お米)とお味噌汁を食べている患者さんは、驚くほど少ないのです。

 日本では、朝にお味噌汁の香りで目を覚ますという習慣は、失われつつあります。

 私の外来のアシストをしてくれる事務員さんたちは、それを知って怖くなり、大好きだったパンをやめてしまうほどでした。

 ですから、朝ご飯を本来の和食中心に戻してしまえば、お米を何杯もお代わりしない限り、健康維持には十分な効果が得られるのではないかと思います。

 私は、がんの患者さんたちには、ケトン食を試す前に、まずは和食に戻すことをおすすめしています。

 実際に、多くの患者さんが実践されて、体調がよくなったとおっしゃいます。

 では、どうして、パン食がよくないのでしょうか? 答えは、どうも糖質ではなく、食物繊維と腸内細菌叢(腸内フローラ)にあるようなのです。