給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人が増えている。多くの人にとって「投資」が避けて通れない時代になってきた。資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資だ。「株投資をはじめたいけど、どうしたらいいのか?」。そんな方に参考になる書籍『株の投資大全ーー成長株をどう見極め、いつ買ったらいいのか』(小泉秀希著、ひふみ株式戦略部監修)が3月15日に発刊された。「ひふみ投信」の創始者、藤野英人氏率いる投資のプロ集団「ひふみ株式戦略部」が全面監修した初の本。株で資産をつくるためには、何をどうすればいいのか? 本連載では、特別に本書から一部を抜粋・編集してその要旨をお伝えしていく。

【株式投資必修講座 ステップ 8】景気サイクルを利用して絶好の買いタイミングを探るPhoto: Adobe Stock

10年に1度の割合で大きな山と谷がある

 景気、為替、金利、物価などマクロ経済(経済全体)の動きも株価に大きな影響を与えます。特に、景気動向(景気サイクル)には注意を払いましょう。

 景気には、拡大したり後退したりというサイクルがあり、日本の場合は平均4~5年の周期になっています。株価もそれに連動するように、上昇トレンドになったり、停滞したり、という動きになることが多いです。

 特に、10年に1度くらいの割合で、大きな山と大きな谷を付ける傾向があります。大きな山としては、下図にあるように1989年をピークとしたバブル相場、2000年をピークとしたITバブル、2007年をピークとした住宅・BRICSバブル、2018年をピークとしたアベノミクス相場などが過去に起きました。

 2020年以降のコロナ禍では、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめとしたIT企業の急成長がありました。

 また、それらの反動として、バブル崩壊後のアジア通貨危機、ITバブル崩壊、リーマンショック、コロナショックなどの深い谷がありました。

景気が過熱してきたら投資額を減らし、
株価が落ち込んでいる時は安く買うチャンス

 こうしたことから、投資家としても経済全体の動き、特に景気動向は気にかけたいところです。

 そして、景気が過熱してきたら投資金額を減らし、景気の谷で株価が落ち込んでいる時には良い株を安く買うチャンスとしてうまく利用したいところです。それができるようになれば、投資家としては、かなり効率の良い投資ができるようになります。

 景気の動きを捉えるためには、景気ウォッチャー調査・先行き判断DI、製造業PMI、ISM製造業景気指数などの先行指標を定点観察していくことが有効です。

小泉秀希(こいずみ・ひでき)
株式・金融ライター
東京大学卒業後、日興證券(現在のSMBC日興証券)などを経て、1999年より株式・金融ライターに。マネー雑誌『ダイヤモンドZAi』には創刊時から携わり、特集記事や「名投資家に学ぶ株の鉄則!」などの連載を長年担当。『たった7日で株とチャートの達人になる!』『めちゃくちゃ売れてる株の雑誌ザイが作った「株」入門』ほか、株式投資関連の書籍の執筆・編集を多数手がけ、その累計部数は100万部以上に。また、自らも個人投資家として熱心に投資に取り組んでいる。市民講座や社会人向けの株式投資講座などでの講演も多数。
ひふみ株式戦略部
投資信託ひふみシリーズのファンド運用を担うレオス・キャピタルワークスのメンバーにより構成された本書監修プロジェクトチーム。
ひふみ投信:https://hifumi.rheos.jp/