インフレ&金利上昇到来! 騙されないための投資術#6Photo:IronHeart/gettyimages

特集『インフレ&金利上昇到来!騙されないための投資術』(全22回)の#6では、過去5年の増収率が高く、今後もさらなる高成長が期待できそうなテンバガー(10倍株)候補生ランキングを大公開。業績が伸びているのに外部環境の悪化で下落した局面こそ、長い目で見れば仕込み時となる。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)

「個人投資家の強み」を生かして
10倍株候補生に長い目で投資したい

 高価な情報端末や複雑な計算式を駆使し、巨額の資金を運用するのが機関投資家だ。個人投資家が対峙する市場には、そんな強力なライバル勢がひしめき合っている。

 ただし、実は個人投資家には、機関投資家が持たざる二つの強みがあることをご存じだろうか。

 それは、「投資先」と「時間」の自由度の高さだ。

 例えば、日本の大型株のファンドマネジャーであれば、中小型株や外国株などは、運用方針上買うことができない。また機関投資家は運用が巨額であるが故、時価総額が小さく流動性の低い銘柄には、そもそも手を出せないのだ。

 時間軸について言えば、機関投資家は顧客から成果を求められる立場にあり、四半期ごとの運用パフォーマンスが問われる。一方、個人ならあくまで自己責任であり、年単位でじっくり投資できる。

 つまり、株式投資の醍醐味の一つである「将来性抜群の小型成長株の発掘」を、個人なら投資先や時間にとらわれず自由に行える。小型株は、時に期待先行で急速に割高感が強まったり、値動きが軽かったりする点には注意が必要だが、長い目で見れば、持続的に高成長する企業は好業績に基づく株高トレンドが期待できるのだ。

 投資の世界で耳にする「テンバガー(10倍株)」とは、野球好きだったという伝説的投資家、ピーター・リンチ氏が名付けた言葉。1試合で10バガー(塁打)を記録するほどのスター選手のように、株価が跳ね上がった銘柄を意味する。

 3月に開幕するワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では、2019年6月にサイクル安打でテンバガー(10塁打)を達成した野球界の大スター、大谷翔平選手の活躍が期待されている。テンバガー銘柄の発掘は、いわば株式市場における「ポスト大谷翔平」探し。個人投資家だけが持つ特権でもあるのだ。

 次ページでは、そんなスター候補生といえるえりすぐりの銘柄を大公開。時価総額1000億円以下の小型株の中で、過去5年実績の平均増収率20%以上、今期会社予想売上高伸び率10%以上、粗利率60%以上などの厳しい条件からスカウティングし、あぶり出されたエリート24社を明らかにする。