TINAは終わった。ウォール街はそう告げている。  2008年の金融危機以降、投資家は「There is no alternative (to stocks)(株に代わる選択肢はない)」という信念を長年抱いてきた。債券利回りはどん底にあり、日本や欧州ではマイナス圏になることさえあった。手堅くリターンを得るには株式市場(とりわけ米株市場)が最善の場所だと思われた。  そこへ昨年の相場急落が起きた。株価は低迷し、債券利回りはここ10年余りで最も高い水準にまで上昇した。  この動きにより、多くの投資家はTINA自体の再考を促された。