米金融大手ゴールドマン・サックス・グループは、万人向けの銀行になるという野心的な計画で敗北したことを認めた。今度は、誰のための銀行になるのかを考える必要がある。デービッド・ソロモン最高経営責任者(CEO)は先週、本社で開催した投資家向け戦略説明会(インベスター・デー)で、当座預金やクレジットカードを扱う消費者向け銀行業務を縮小するとアナリストや株主に述べた。代わりに、機関投資家や富裕層の資産管理事業で成長を確保すると語った。こうした事業は市場が上げても下げても安定した手数料を得ることができる。ゴールドマンの消費者向け事業からの退却を歓迎している投資家もいる。ウォール街の巨人として名高い同社が親しみやすい銀行になれるという発想を認める気には全然なっていなかったからだ。近頃の投資家は、ポートフォリオに組み入れてそのまま忘れてしまえる、預金と貸し付けの基本業務を行う銀行の株を保有したいと考えている。