中国政府は先週末、今年の経済成長目標を事前の予想より低い5%前後に設定する一方、前年を7.2%上回る国防予算案を発表した。習近平国家主席が中国を世界で支配的な軍事大国にするという計画に真剣に取り組んでいることを示す新たな証拠が必要というなら、この二つの数字の対比はそれを示している。中国政府が発表した今年の国防予算は2240億ドル(約30兆4240億円)に上る。同国が公式に示すこの数字を信じるならば、前年比7.2%増となる。中国が新型コロナウイルスによる行動制限や現在も続く不動産市場の低迷から経済の回復を図る中、成長目標を引き下げていることを考えると、このような公式の数字で示された予算増でさえ注目に値する。これは中国共産党の優先事項を明確に示している。