日本は2四半期ぶり「プラス成長」、夏以降の日本株上昇を期待できる理由Photo:PIXTA

まだら模様の日本経済
サービス消費は増加

 新型コロナウイルスの感染拡大で大幅に落ち込んだ日本経済は、製造業を中心とした生産活動や輸出で弱め動きが続いている。鉱工業生産は、22年8月にピークを付けたかたちとなり、四半期では10~12月期に前期比で3.0%の減産となっている。景気と連動する代表的な10指標を合成した景気動向指数のCI一致指数も、9月から12月まで前月比で低下が続いている。

 景気動向指数のCI一致指数をもとにした内閣府の基調判断は、景気拡張(回復)の可能性が高いことを示す「改善」が22年11月まで続いたが、12月は「足踏み」に修正された。「足踏み」の判断は文字通りで、「景気拡張の動きが足踏み状態になっている可能性が高い」ことを示している。

 一方で、経済の正常化へ向けた動きから旅行、娯楽などのサービス消費の増加が続いている。入国制限などの水際対策の緩和で訪日外客数が急増し、インバウンド需要が持ち直している。

 22年10~12月期のGDP統計では、2四半期ぶりのプラス成長(実質で前期比プラス0.2%、同年率プラス0.6%)が確認された。成長率は事前の予想(前期比プラス0.4%、同年率プラス1.8%)を下回ったが、民間在庫投資の減少による押し下げが大きく、在庫投資を除いた最終需要は前期比年率2.3%増となっている。

 サービス消費は前期比1.4%増(同年率5.6%増)となり、インバウンド需要(非居住者家計の国内での直接購入)は、前期比3.1倍となっている。最終需要の堅調な動きを考えると、景気回復が途切れたとは言いにくい。