他者に依存せず、自立して生きるにはどうすればよいでしょうか。熱海の「ホテルニューアカオ」や天王洲「寺田倉庫」の経営改革を手掛け、テレビ東京「ガイアの夜明け」やNHK「SWITCHインタビュー達人達」で話題となった「伝説の経営者」中野善壽氏。「すべてを捨て、孤独を受け入れることで、“個”として立つことができる」と著書『孤独からはじめよう』と『ぜんぶ、すてれば』で語っています。本記事では『ぜんぶ、すてれば』から、人生を颯爽と楽しむシンプルな考え方を紹介します。
持ち歩くのは小さな鞄一つでいい。
身軽な生活を始めるに、一番手っ取り早いのは、鞄を小さくすることだ。
僕は飛行機に乗る時も、大きなトランクは持ち歩かない。
ハンドキャリーが可能な極小さな鞄を一つだけ。どこに行くにもこれで出かける。
鞄の中に入れるのは、下着と靴下、iPad、家の鍵、眼鏡くらい。
出張先での服は現地で調達する。どうせ一ヵ所の滞在は長くても三泊四日だから。
あとは携帯電話、小さな財布、薄い手帳、渡航に必要な貴重品を忘れないようにするだけ。
鞄を一つだけと決めて、サイズをコンパクトにするだけで、自然と持ち物は減ります。
たくさん入らないから、数を絞らざるを得ない。
もしも鞄を二個も三個も持って、大きなトランクまで引っ張るとなれば、入る分だけモノを詰め込もうとしてしまう。
最初から「これしか持っていけない」と枠を決めてしまえば、諦めざるを得ない。
新しいモノを買えば、古いモノを捨てるしかない。
常に持ち物が入れ替わる感じが、フレッシュで気持ちいい。なんといっても預けた荷物の心配はいらないし、荷物がターンテーブルから出て来るまでの時間が節約できる。
小さな鞄一つだけの生活、どうですか?
(本原稿は、中野善壽著『ぜんぶ、すてれば』から一部抜粋・改変したものです)