英語話者の大半が“非ネイティブ”になった現代。そんな時代にあわせた学習法が話題となり2013年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けているのが『英語は「インド式」で学べ!』だ。非ネイティブ同士がコミュニケーションするための「道具」として、英語史上最もカンタンになっている21世紀の「世界標準の英語」が日本人向けに解説されている。本連載では、そんな本書のエッセンスをお伝えしていく。
「動詞の種類」によって、英文のカタチは決まっている
「sound/find/give」
この、たった3つの動詞を使うだけで、英語がスラスラ口から出てくるようになります。
ホント? とあなたは思ったかもしれませんが、ホントです!
なぜかというと、それは、そもそも「英語は動詞が中心の言語」だからです。
英語の文章では「動詞が屋台骨であり、文のカタチを作るための骨格を決めるもの」なのです。
そして「その動詞の種類」によって、「文のカタチ(単語の並び順)」が変わってくるというのが、日本語と英語の、一番大きな違いです。
つまり、「その動詞の種類」によって、動詞の前にどんな単語を持ってくるのか、動詞の後にどんな単語を持ってくるのかが決まるのです。
そのようにして、「英語の文章のカタチ(単語の並び順)」というのは、「動詞の種類」によって、決められているものです。
別の言葉で言うと、「英語では動詞は文のカタチとセットになっている」ともいえます。
この動詞にはこの英文のカタチ、この動詞にはこの英文のカタチ…と、それぞれに「動詞」によって、決まっているのです。
それは、たとえてみると、「ドアとその鍵」のようなものです。
それぞれのドアに、それぞれの鍵がセットであるように。鍵だけ持っていてもダメ。ドアだけあってもダメ。
両方セットになって、はじめて、機能するものなのです。
「3つの動詞」がそれぞれに作る英文のカタチをマスターしよう!
動詞が英文のカタチを決めるので、「動詞と英文のカタチをセット」として英文を作っていくというのは、日本語の単語を、一語一語、英語に訳して英文を作っていく方法とは、まったく異なる方法です。
「①伝えたい日本語がある」→「②動詞を選ぶと英文のカタチが決まる」→「③動詞の前後に単語を当てはめる」
このプロセスを、何度も練習することで、瞬時に英文ができるようになるのです。
この「日本語→英文への変換」を瞬時にできるように、私は「英文のカタチ」を、シンプルで理解しやすい、「3種類の動詞とセットの英文」にしぼりました。
それが、「sound/find/give」とセットの英文のカタチです。
この、たった「3つの動詞とセットの英文のカタチ」を覚えるだけで、カンタンに英文を作ることができ、私たち日本人の弱点を乗り越えられるのです!
→「文章のカタチ」で話せるようになる
【日本人の弱点②】「Be動詞と動詞のhaveばかり使ってしまう」
→日本語にはない英語独特の文のカタチ(語順)をカンタンにマスターして、英文が作れる!
……「え! たった3種類の動詞だけで!」…と、信じられませんか? では、いかにカンタンに英文が作れるか、実際に、英文を作ってみましょう!
「A sound B」をマスターしよう!
さて、3つの動詞「sound/find/give」のなかから、最初に「sound」とセットの英文のカタチを覚えていきましょう!
さきほどの図を見てもらった方がわかりやすいかと思いますが、「sound」とセットになる英文のカタチは、「A=B」というカタチになります。
英語で「A sound B」というカタチをつくると、日本語で「Aは=Bのように思われる/聞こえる」、つまり「Aは=Bのようだ」という意味になります。
下の例文では、
The manager sounds angry.
ですから、
「部長は=怒っているようだ」という意味になります。
このように、「sound」が作る英文のカタチは、「sound」の前に「A」、「sound」の後には「B」を持ってきて「A sound B」という文のカタチをつくって、「AはBのようだ」という意味になるのです。
「どうしてそうなるの?」と聞かれても、ここは、「そもそも英語はそう決まっているから」とあきらめて、覚えるしかありません。
これは、日本語にしたって同じです。なんで日本語は、ひらがなの「あ」と、カタカナの「ア」の、2種類があるの? と言われても、「そもそも日本語はそう決まっているから」としか、答えようがありません。なので、あきらめて覚えてくださいね。
日本語から「英語の文章のカタチ」を作る手順
では、「先に日本語を思いついてから、英語の文章のカタチにする方法」の手順を見ていきましょう!
見ている状況は「何だか上司が厳しい口調でしゃべっている様子」です。
その様子から部下たちは「なんだか、部長は怒っているらしいよ」と、こっそり耳打ちしています。
この日本語を「sound」を使って、英語の文章にしようと、あなたは思いました。
このときのポイントは、「部長は怒っているらしいよ」という、この日本語の文章を、「Aは=Bのようだ」というカタチに当てはめて、考えてみることなのです。
すると…、
日本語:「部長は=怒っているようだ」
これは、すごくカンタンに、当てはめることができますね。
次に、ここから急に、全部を英文にするのはムズカしいので、日本語の単語のまま、「A sound B」のカタチに当てはめて考えてみましょう。
日本語と英語を組み合わせたカタチなので、これを「日英語(にちえいご)と呼ぶことにします。
日英語:「部長は sound 怒っている」
さぁ、これで、かなり英文に近づきました。もう一息です。
では、「A」と「B」それぞれの日本語を、英語に変えていきます。
Aの「部長」は「The manager」になります。
Bの「怒っている」は「angry」になります。(※この場合「sound」は「The manager」が主語になると、正確には「sounds」と、「s」がつきますが、そのまま「sound」でも、十分に通じます)
その英語を当てはめると、
英語:The manager sounds angry.
で、出来上がりです!
どうです? 意外とカンタンじゃなかったですか?
では、最初なので、今の手順を、わかりやすく「図」でまとめてみましょう!
こんなふうに、ただ日本語を、「A sound B」という英文のカタチに、当てはめて考えるだけで、みなさんが今まで作れなかったような英語の文章ができてしまうのです!
しかも、「Be動詞」や「動詞のhave」ばかりしか使えない日本人の中で、こんな英語をしゃべることができたら、あなたは、みんなから「一目置かれる存在」になること、間違いナシなのです!
findやgiveについても、今後の記事でご紹介したいと思います!