昨年、政府がリスキリング支援で人への投資に巨額を投じると発表した。そこで肝となるのがDX人材育成だが、多くの企業で「三つの問題点」がある。それを解決するための「三段階のフェーズ」とは。それぞれの論点を整理し、DX人材育成の効果的な進め方を見ていく。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部 大根田康介)
政府がリスキリング支援に1兆円
「DX人材育成」に潜む問題とは
2022年10月、岸田文雄首相がリスキリングの支援として、人への投資に5年間で1兆円を投じると発表した。人的資本経営への注目も相まって、官民で支援を行う動きが活発化している。
中でも、リスキリングで注目されているのが、DX(デジタルトランスフォーメーション)に対応できるようデジタル技術を学び直す「DX人材育成」だ。この機会に、DX人材を育てたい企業、DX人材としてキャリアチェンジを目指したいビジネスパーソンは多いだろう。
一方で、どんな人材を選抜し、どういうステップで、どのような能力を身に付ければいいのか、不明確なままだ。実はここに「DX人材育成の三つの問題点が潜んでおり、三段階のフェーズを踏むことが大事だ」と、リクルートマネジメントソリューションズ・シニアソリューションアーキテクトの千秋毅将氏は指摘する。
次ページでは、日本のDX人材育成についての「三つの問題点」と「三段階のフェーズ」を詳述し、その効果的な進め方について考察していく。