中国とロシアの国境沿いの都市に長年行われてきた投資は、二つの大国の相互繁栄と緊密なパートナーシップへの扉を開くことが狙いだった。しかし、ロシアとの国境沿いに位置する中国最北部の都市・黒河で見られる穴だらけの道路や野良犬、空っぽの店舗は、衰退しつつある米国の「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」都市を思わせる。3階建てショッピングモール「国際貿易センター」はかつて、毛皮や革のコート、靴を求めるロシアからの買い物客でにぎわっていた。現在では1階部分の半分程度の店舗が営業しているだけだ。同センターで営業を続ける数少ない業者の1人、ヤン・ウェンさん(47)は13日、「みんなお金を持っていない」と話した。新型コロナウイルスの流行により中ロ国境が閉鎖されたため、過去3年間はロシアからの買い物客が姿を消した。このためヤンさんは時折訪れる中国人観光客を相手に、主にロシアのマトリョーシカ人形などの小物を販売していた。国境は再開される見通しだが、期待は高まっていない。店頭のディスプレーにはキリル文字と漢字の両方が表示されているが、西側諸国による制裁とウクライナでの戦争のため、ロシア人が余裕資金を持っていると考える人は黒河ではほとんどいない。
中ロ関係ほころびの兆し、国境都市で鮮明
今週の首脳会談で習氏とプーチン氏は結束を示すとみられるが
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