13年にわたる銀行規制もここまでだ。クレディ・スイスの経営破綻を回避するため、スイス当局の主導でUBSによる同行の買収合意が成立し、19日に発表された。これはまさに、2008年の金融危機以降に導入された銀行規制で防止できると言われていた、「大き過ぎてつぶせない」金融機関のパニック状態での救済だ。UBSに次ぐスイス第2位の銀行であるクレディ・スイスは、長年にわたりお粗末な経営で苦しんできた。メディアの報道によると、過去1年間で同行への信頼を失った預金者たちは、2022年に約1600億スイスフラン(約22兆8000億円)を引き出した。先週には預金の流出額が1日で最大100億スイスフランに達したという。米国のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻した後、欧州の金融システムで最も弱い部分としてすぐにクレディ・スイスに注目が集まった。同行の株価は下落し、デフォルト(債務不履行)に対する保険のコストが急上昇した。
【社説】今度はクレディ・スイスの救済
UBSによるクレディ・スイス買収、2008年以降の規制が再び失敗したことを示す
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