パニックを起こすな。金融規制当局はこのようなメッセージを送っているが、ほとんど効いていない。米当局はこの1週間で、破綻したシリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の預金の全額保護を約束した。バランスシートが不安定なその他の銀行に最大250億ドル(約3兆3250億円)を貸し出す新たなプログラムも立ち上げた。パニック防止のためにこうした対策が取られたにもかかわらず、金融市場はパニックに陥った。SVBの株価が急落して顧客が一斉に預金を引き出した3月9日から15日までの間に、地方銀行の株価は22%超下落した。16日に銀行団がファースト・リパブリック銀行の救済に乗り出す前、同行の株価は6営業日もたたないうちに80%余り下げた。