「英語を話せるようになりたい」という人にぜひ読んでほしい1冊が『5分間英単語』だ。1トピック5分のトレーニングで、日本人の英語学習に不足しているボキャブラリーを拡大し、スピーキングやリスニングなど実践的な英語力アップに役立つ1冊だ。著者は、英字新聞The Japan Times Alpha編集長を10年以上務める高橋敏之氏。一般的な英単語集には記載されていない「ニュアンス」「実際の使われ方」を丁寧に解説した。本稿では『5分間英単語』から特別に一部を抜粋して紹介する。

「自業自得だ」を英語でどう言う?Photo: Adobe Stock

haveを使った表現を使えるようになろう

 (1)「Aに~してもらう」
 (2)(have something to do with ~の形で)「~と関係がある」
 (3)(have had enoughの形で)「うんざりだ」
 (4)(have it comingの形で)「自業自得だ」
 (5)(have itの形で)「(うわさ・伝説によると)~だ」

 haveは、makeと同じく〈have+A+動詞の原形〉の形で用いられるが、makeが「Aの意思とは関係なく~させる」という意味を表すのに対し、haveは「(makeほど強制ではなく)Aに~させる」「Aに頼んで~してもらう」というニュアンスで使われる。特に、専門の人に頼んで(時にお金を払って)やってもらうという文脈で使うことが多い。

 ちなみに、letも〈let+A+動詞の原形〉の形で用いるが、こちらは「Aに自由に~させる」というニュアンスで使われる。また、これと関連して、〈have+A+過去分詞〉(Aを~してもらう)という表現もよく使われる。

 これに加えて、ここではhaveを使った重要表現を見ていこう。

 まずはhave something to do with ~。これで「(主語は)~と関係がある」という意味を表す。関連表現として、have nothing to do with ~(~とは関係がない)、have a lot to do with ~(~と大いに関係がある)、have little to do with ~(~とほとんど関係がない)などのパターンも押さえておこう。

 この他、have had enoughで「うんざりだ」。原則として〈have+過去分詞〉の現在完了形を使う点に注意しよう。特に何にうんざりしているのかを明示する場合はhave had enough of ~(~にはうんざりだ)という形を用いる。

 さらに、have it comingで「自業自得だ」という意味を表す。また、Rumor/Word has it that ~(うわさによると~だ)、Legend has it that ~(伝説によると~だ)のように、A has it that ~(Aによると~だ)という決まり文句も覚えておこう。

(1)「Aに~してもらう」

I’ll have the porter bring up your suitcase.
「ポーターにお客様のスーツケースを運ばせましょう」

The teacher had his students create their own websites.
「その先生は生徒達に自分のウェブサイトを作らせた」

Toni had us laughing all through the meal.
「トニは私たちを食事の間中笑わせていた」
◆ 特に「Aに~させている」という〈進行〉のニュアンスでは〈have+A+ing形〉の形が使われることもある

She had her portrait taken by a professional photographer.
「彼女はプロの写真家に写真を撮ってもらった」
◆ haveの代わりにgetを使うこともある

「自業自得だ」を英語でどう言う?Photo: Adobe Stock

You’ve had your hair cut. It looks great!
「髪を切ったんだね。とても素敵だよ!」
◆ cut your hairでは「自分で髪を切った」というニュアンスが出る

(2)(have something to do with ~の形で)「~と関係がある」

“What does Tim do?” “I think it has something to do with fashion.”
「ティムは、仕事は何をしているの?」「ファッションに関係したことだと思う」

The question has nothing to do with what we’re discussing.
「その質問は私たちが話し合っていることと関係がない」

Go away, Jack. This has nothing to do with you.
「あっちに行ってろ、ジャック。これはお前には関係ないことだ」

Your state of mind has a lot to do with what you eat.
「あなたの心の状態は、あなたが食べるものと大いに関係がある」

(3)(have had enoughの形で)「うんざりだ」

I’ve had enough of your excuses.
「お前の言い訳にはうんざりだ」

(4)(have it comingの形で)「自業自得だ」

You had it coming, Larry. You never listened to us.
「自業自得だよ、ラリー。僕らの話を聞かなかっただろう」
◆ 「あなたがそれを来るようにさせた」から「自業自得だ」の意味になる

(5)(have itの形で)「(うわさ・伝説によると)~だ」

Rumor has it that the house is haunted.
「うわさによると、その家には幽霊が出るらしい」

(本稿は『5分間英単語』から抜粋・編集したものです。)