山ちゃんの「会話術」を徹底解剖

――山里さんが、バラエティ番組のMCをされているのを見かけるたびに、とても聞き上手だなと思います。つい、相手が本音で話したくなってしまう「聞き方」のポイントは、いったい何でしょうか。

本多 そうですね、山里くんの技術を、ひとことで説明するのは難しいですけど……。語彙が豊富なことは、間違いなく、大きな武器の一つですね。「たとえ」の引き出しが圧倒的に多いと思います。

――いつも絶妙な「たとえ」を使いながら、ゲストのお話を聞いている印象があります。「たとえ」を使いながら聞くのも、聞き上手のポイントでしょうか?

本多 山里くんの場合は、「たとえ」でリアクションすることによって、相手がうまく言語化できなかったところまで汲み取って、話している当人にさえも、気づきを与えられているんですよね。話している人も、番組を観ている視聴者にとっても、理解度・解像度が上がるような、みんながイメージしやすいポイントを見つけるのが、本当にうまいなあと思います。

 ただ「ふ~ん、そうなんですか」ではなく、「〇〇みたいに」と別の語彙や表現に置き換えて「私はこう理解しましたよ」と返すことによって、相手も気持ちよく話せますよね。私も、山里くんと一緒にいると、心地よくなってずっと話していたくなります。(笑)。

本多正識

――山里さんが「それって、〇〇と同じじゃないですか」とツッコミを入れたりすると、「そうそう、まさに! そういうことが言いたかったの!」というように、場が盛り上がる気がします。

本多 山里くんは、短い時間でとても深く理解してくれるうえに、自分の言葉で言い換えてリアクションしてくれるから、話していた方は、「ちゃんと聞いてもらえた」「理解してもらえた」と、安心するんですよね。ただなんとなく「うまいこと」を言おうとしているんじゃなくて、本質を汲み取ってくれている。

 相手の話を聞いているとき、つい「ふ~ん、そうなんだ」で終わらせてしまう人は、聞いた内容を自分なりのたとえで返す練習をしてみるといいかもしれませんね。