――筆者のグレッグ・イップはWSJ経済担当チーフコメンテーター ***  シリコンバレー銀行(SVB)の破綻に端を発した混乱は、米連邦準備制度理事会(FRB)や政治指導者、投資家らが2007~09年の世界的な金融危機から学んだと考えていたことの多くを覆すものとなった。  複雑な構造をした証券や大きすぎてつぶせない銀行、あるいは緩い規制しか受けていない「影(シャドー)」のような金融機関がシステムの弱点だと考えられていた。だが実際は、国債や中小銀行、預金といった平凡で表面上は安全な一角が弱点だったのだ。