シリコンバレー銀行(SVB)の破綻に端を発した混乱は、米連邦準備制度理事会(FRB)や政治指導者、投資家らが2007~09年の世界的な金融危機から学んだと考えていたことの多くを覆すものとなった。複雑な構造をした証券や大きすぎてつぶせない銀行、あるいは緩い規制しか受けていない「影(シャドー)」のような金融機関がシステムの弱点だと考えられていた。だが実際は、国債や中小銀行、預金といった平凡で表面上は安全な一角が弱点だったのだ。このような事態はおそらく経済全体にほとんど影響を与えることなく収束するだろう。しかしそうでない場合、二つの不愉快な道が待ち受けている。新たに脆弱(ぜいじゃく)性が露呈した中小銀行や地方銀行が自力で生き残るのに苦労するか、あるいは連邦政府のセーフティーネットが拡大し、新たなリスクが発生するかだ。
SVB破綻で過去の教訓覆る 新たな弱点浮上
当局が安全だと認識していた中小金融機関が脆弱性の原因に
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