TikTok禁止令、米ライバルは当てにすべきでないPhoto:Anadolu Agency/gettyimages

――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 フェイスブック、グーグル、スナップチャット、ピンタレストはいずれも、これまで中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を打ち負かすことができずにいた。これら米ソーシャルメディア大手の投資家は、ここにきて米政府がやっつけてくれると期待しすぎているかもしれない。

 米国でTikTokと競合するソーシャルメディアの運営会社は、23日の取引で株価が軒並み上昇した。米議会ではこの日、下院エネルギー・商業委員会が開いた公聴会で、TikTokの周受資・最高経営責任者(CEO)が主に中国人創業者らが会社を所有する点に絡み、一連の問題で厳しい追及を受けていた。これに先立ち、バイデン政権は今月、中国人の創業者らが株式を売却しなければ、米国でのTikTokの利用を禁止すると迫った。

 中国は23日、政府の承認が必要な技術輸出に関連するとして、いかなる強制的な売却にも反対の立場を表明。これにより、米国内で全面禁止の可能性が高まるとも言えそうだ。過去数年にTikTokに市場シェアを奪われてきた米国のソーシャルメディアやネット広告大手にとっては朗報となる。TikTokは爆発的な人気を集め、米国のアクティブユーザー数は1億5000人余りに上る。