――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」
中国の不動産開発大手、中国恒大集団(チャイナ・エバーグランデ・グループ)が中国本土外(オフショア)の債権者に対してようやく債務再編計画を発表した。だが、つらい思いをしてきた債券投資家が痛みから解放されるのは、まだ先のようだ。
これは、恒大の同業他社がオフショアで発行した債券を保有する投資家への警鐘でもある。多くの投資家はこれらの債券を大量に購入した。中国では住宅の所有が政治的な問題であるため、広範囲にわたる本格的な不動産不況に陥るのを中国政府が容認するはずはないと考えたためだ。ところが、その考えは間違いだったことが明らかになり、投資家は今後、大きな代償を払うことになる可能性が高い。
恒大は22日、オフショア債190億ドル(約2兆4800億円)の再編計画を発表した。債権者には二つの選択肢が与えられ、保有債券を新たな10~12年債と交換するか、恒大とその香港上場2部門(不動産サービス部門など)の株式に転換可能な証券および新たな5~9年債と交換するかを選ぶことができる。