G7における過去の景気後退局面のうち
雇用が減少しなかった割合
米欧の雇用指標が予想以上に底堅い。その結果、多くの国が景気後退を回避して軟着陸するのではないかとの楽観も広がっている。
確かに他の条件を一定とすれば、雇用が堅調であればあるほど経済の軟着陸の可能性は高まる。ただ、雇用が減少しなければ景気後退はないと決め付けるのは早計だ。
実際、1980年以降のG7諸国における景気後退局面(2四半期以上の連続マイナス成長)では、約15%のケースで雇用は減少に転じずに済んでいる。労働者1人当たりのGDPの減少によって景気後退に陥ったことになる。
雇用が減少せずに景気が後退するケースに共通するのは、景気後退が「浅く短く」済んだという点だ。今年は米国を筆頭に、先進国で予想される景気後退はこのパターンになると見込んでいる。