ジャネット・イエレン米財務長官は22日、「全面的な」預金保護の導入については検討していないと言明し、足元の銀行危機に対する即効薬の一つになるとの期待に冷や水を浴びせた。とはいえ、この発言で預金の全額保護というアイデアが消えることはまずないだろう。イエレン氏は一方で、米議会が預金保護について検討することは「価値がある」とも述べている。シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行の経営破綻を受けて実施したように、米財務省はすでに、連邦預金保険公社(FDIC)とともに「システミックリスクの例外措置」を使って、保険対象外である25万ドル(約3300万円)を超える預金についても全額保護の対象とすることが可能だ。メガバンクは異なる扱いを受けていると痛感している中小銀行やその支持者の間などでは、ここにきて全額保護の導入を求める声が高まっている。
預金の全額保護、万能薬ではない
単純な銀行危機対策に見えるが、一筋縄ではいかない
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