この本は100万円以上の価値がある!」東証プライム上場社長で現役マーケッターである「北の達人コーポレーション」木下勝寿社長が絶賛。大きな話題となっている一冊の本がある。それが、コピーライティングの第一人者である神田昌典氏25年の集大成『コピーライティング技術大全──百年売れ続ける言葉の原則』だ。これまでスマホ時代に完全対応し、従来のコピーライティング書の常識を凌駕する本書のポイントを抜粋して紹介してきた。今回は著者・衣田順一氏に「成果が出る人と出ない人の違い」を聞いた。

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なかなか成果が出ない人の悪い特徴

 同じノウハウを聞いても、成果を出せる人と、出せない人がいます。

 なぜでしょう?

 これは、会社員時代の経験でも、現在のコピーライティングの仕事においても、共通点があります。

 それは、ズバリ、考えるべきところと考えなくていいところが「逆」になっていることです。

 なかなか成果が出ない人は、本来考えなくてはいけないところを考えず、考えなくていいところで考えてしまいます。

 一方、着実に成果が出る人は、考えるべきところはしっかり考え、考えなくていいところはスルーしているのです。

成果を出せる人の共通点

 どういうことか具体的にお話ししましょう。

 まず、「この本は君に役立つと思うよ」「こうやったらこんな成果が出たよ」という情報を聞いたとき、それを素直に実践できるかどうかです。

 成果が出る人は、スッと行動に移せます。

 もちろん、そのノウハウがいつも成果が出るとは限りません。

 でも、何割かの確率でヒットするのも事実。

 実践しないと成果にはつながらないので、スッと素直に動けることが、成果を出せる人、成長し続ける人の共通点です。

 一方、成果が出ない人は、ここで考えてしまいます。

 たとえ話です。あなたは生まれて初めて「リモコン」の存在を知ったとしましょう。

 そして、「このボタンをテレビに向けて押すと、離れた場所から電源ボタンを押さなくても、電源のオン・オフができるよ」と聞いたとします。

 このとき、成果を出す人は、迷いなく、テレビに向けてリモコンのスイッチをスッと押します。

 すぐ使い方を覚え、次から便利に使いこなせるようになります。

 しかし、成果の出ない人は、ここで考え込んでしまい、行動に移せません。

「このボタンを押すと、火が出て危険なんじゃないか」
「ビリッと感電するんじゃないか」

 など、いろいろ考えすぎてしまうのです。

 仮にボタンを押す気になっても、考えすぎているので、テレビとは違う方向にリモコンを向けて押したりします。

 これでは結果が出ません。

 まずは、言われたとおり、素直にスッと身体が動くかどうかが重要なポイントです。

 次に、成果が出る人は、一度やってみて、うまくいかなかったときや次回やるときに、そのやり方で問題ないかをしっかり考えます。

コピーライティングで成果を出せる人、出せない人の違い

 コピーライティングの世界には、「A/Bテスト」があります。

 これは広告のA案とB案でどちらの反応がいいか、同じ条件で確認するテストです。

 実際に、我々がやってみたA/Bテストが下記です。

 このテストでは、改行がある場合とない場合で、クリックされる数が違うという結果が出ました。

 この情報を聞いて、すぐに「改行あり」で文章を書いてみる人は、スッと体が動く人で成果が出やすい。

 ところが、「改行あり」のほうがよく読まれると盲信して、どんな状況でも、まったく考えないで、そのまま使い続ける人もいます。

 A/Bテストはあくまでも傾向値なので、「0:100」というのはありません。

 上記の例でも、「1519人中598人」は改行なしでもクリックしています。

 また、「改行あり」でも、クリックしなかった人もいるわけです。

 たとえば、スマホで読む場合とパソコンで読む場合では、見え方は変わり、結果も変わってきます。

 また、一部の人は「改行なし」を好みます。

 ですから対象顧客を見ながら、その都度、どれがベストかを考える必要があるのです。

仮説検証の労を惜しまず、やるか否か

 成果を出せる人は、その都度しっかり考えますが、成果が出ない人は、考えずに「盲信」してしまうのです。

 コピーライティングの研究は、アメリカでは100年以上の歴史があります。

 今でもなお、変わらない普遍・不変の原理原則もたくさんありますが、それは根幹となる戦略に関する部分であって、個々の戦術は時代やメディア、対象顧客によって変わるものです。

 先ほどの例でいえば、「改行の有無という小さな違いでも人の反応は変わる」というのが原理原則で、それが自分の顧客に対して有効かどうかは、その都度確認が必要なのです。

 結果が出る人は、常に仮説検証の労を厭いません。

 逆に、結果が出ない人は、ラクをしたいので聞いたことを鵜呑みにして、考えるべき時に考えないのです。

 これが同じノウハウを聞いても結果を出せる人と出せない人の違いです。

 A/Bテストを含め、アメリカで100年以上続く、売れる原理原則を凝縮したのが『コピーライティング技術大全』なのです。