23年度がスタートした。今年度こそ目標達成したい、今年度こそチームみんなで力を合わせてダントツの成績を収めたいという人も多いかもしれない。ただ、一方で、頑張っているのに成果が出ない。どうすればいいのか、途方にくれる人も少なくないだろう。
そんな人におすすめなのが、『1位思考──後発でも圧倒的速さで成長できるシンプルな習慣』。「週刊ダイヤモンド」「トップポイント」などで絶賛。創業9年目で売上300億円にしたアンカー・ジャパンCEOの猿渡歩氏、初の著書だ。猿渡氏は「適度にサボると生産性は上がる」という。
そんな本書を推薦するのが、「メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術」著者・わびさんだ。
わびさんは元幹部自衛官としてエリート街道をひた走っていたが、上司のパワハラと早朝深夜の激務が重なりメンタルダウン。復職を果たした後、「出世ばかりが人生ではない」「人に認められるためではなく、もっと楽しく生きたい」と思い、転職。現在は外資系企業の社員として活躍している。
自衛隊などの社会人経験で身につけた仕事術、メンタルコントロール術についてツイートした内容が人気を集め、Twitterフォロワーは15.7万人を突破、ネットメディアにもたびたび取り上げられている。
書評家としても鋭い論考を投げかけるわびさんに、『1位思考』を活用しながら、新年度をらくらく乗り切る知恵を、一問一答形式でシェアしてもらおう。
悪のサイクルを断ち切るために必要なこと
Q:猿渡さんは、「適度にサボると生産性は上がる」と言っています。
ただ、メンタルダウンする人に共通するのが、適度にサボれないことかもしれません。
メンタルダウンを経験したわびさんは「適度にサボるプロフェッショナル」だと思います。
きまじめな人ほどサボることへの罪悪感から、ストレスを抱えながら仕事に没頭し、メンタルダウンする悪循環にハマりそうですが、その悪のサイクルを断ち切るために必要な3つの習慣とは何でしょうか?
わび:3つ挙げるなら次のとおりです。
1 「がんばった感」の虚無感を知る習慣
2 コントロールできないことに執着しない習慣
3 仕事より尊いものをつくる習慣
「がんばった感」の虚無感を知る習慣
まずは、『1位思考』にもあるように、「がんばった感」は毒であることを知ったほうがいいです。
メンタルダウンする前の私は、「がんばった感」中毒者だったと思っています。
たとえ結果が出なくても、いろんなものを犠牲にしてがんばっていれば、認められるはずと考えていました。
しかし、結果的には心身を壊し、何も残らなかったうえに、多くのものを失いました。
この「がんばった感」の虚無感は多くの人に知ってほしいですね。
コントロールできないことには執着しない
次に、コントロールできないことには執着しないことです。
仕事はある意味「ターン制」だと思っています。
たとえば、企画書作成などは自分のターンなので、持てるリソースをガンガン投入したほうがいいです。
でも、企画書を提出した後は、提出した相手のターンなので、あれこれ考えても為す術はありません。
コントロールできないことを考え始めると、出口のないトンネルをさまようことになり、疲弊してしまいます。
相手のターンのときは「ほどよく無関心」でいることが大事だと思っています。
仕事より尊いものをつくる習慣
そして、一番大事なのは、「仕事よりも尊いものをつくること」です。
趣味やスポーツ、推し、家族など、仕事より優先順位の高いものをいつも持っておくといいでしょう。
仕事より尊いものがなかったり、優先順位があいまいだと、悪い意味で仕事に依存してしまいます。
そうならないためにも、自分にとって尊いものは何なのかを確立してください。
『1位思考』には、かつてコントロールできないことにばかり執着していた自分に読ませてあげたい「悪の3大サイクルを断ち切る習慣」が書かれています。
そのほか、新年度のスタートの参考になる習慣が詰まっています。なにかモヤモヤする人、現状を変えたい人は、読んでみることをおすすめします。