札束と電卓写真はイメージです Photo:PIXTA

1位は東京五輪も担当した警備会社
人材不足が経営課題に

 今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された平均年収のデータを使って、「年収が低い会社ランキング2022最新版【従業員の平均年齢40代前半】」を作成した。対象は、上場企業で、単体の従業員数が100人未満の会社は除外している。対象期間は2021年4月期~22年3月期となっている。

 早速、ランキングを確認していこう。

 1位は、宮城県仙台市に本社を置く警備会社のトスネットで、平均年収は267.8万円(従業員数152人、平均年齢42.1歳)だった。東北地方を中心に、工事現場での交通誘導、イベント会場やホテルの警備、JRや私鉄の「列車見張り警備」などを手掛けている。

 21年7~9月にかけては、東京オリンピック・パラリンピックの会場警備を担当した。ただ、21年は新型コロナウイルス感染拡大の影響が強く、行動制限もあったため、各種イベントやコンサートなどの中止や延期が相次いだ。そのため、21年9月期の営業利益と純利益は20年9月期と比べて7割強の増益となったが、売上高は9.9億円で同0.3%の減収となった。

 同社が直面する大きな課題が警備員不足と人材確保だ。また、同社だけでなく日本の企業全体にも言えることだが、コスト面での上昇が経営を圧迫している。トスネットは、社員(警備員)の教育を重視しつつ、収益力を高めることで財務基盤を強化していきたいとしている。