1-3月期は全くの想定外とも言えるショックに相次ぎ見舞われたものの、米国株式市場は改めてその底堅さが意識される展開となった。新年を迎え、投資家心理は総じて明るかった。インフレは鈍化傾向を示しており、急ピッチの利上げを続けてきた米連邦準備制度理事会(FRB)が年内にも利下げに転じるとの見方が広がっていた。ところが、年明けに公表された経済指標は上振れが続出。FRBの利上げが想定以上に長引くとの懸念から、株・債券の双方が売られるダブル安となった。最大のショックは3月に訪れた。シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャー銀行が相次ぎ経営破綻に追い込まれた。銀行株は急落。欧州ではクレディ・スイスが市場の標的となり、スイス当局の仲介でライバルのUBSによる救済合併へと発展した。米銀大手はパニックの連鎖を防ぐため、急きょ地銀ファースト・リパブリック銀行の支援へと動いた。