お礼・お詫びメールがそっけないと怒らせる人は「このたび」の使い方がまずかった写真はイメージです Photo:PIXTA

メールは、人によっては大量に受け取ることになります。そこに、タラタラと長くてよくわからないメールが送られてきたとしたら、どうでしょうか。丁寧であればいい、セオリー通りであればいい、というわけでもありません。特に書く機会の多いお礼メールやお詫びのメールは、どうすれば相手に気持ちが伝わるのでしょうか。『文章がすぐにうまく書ける技術』(上阪徹著、日本実業出版社)から一部抜粋・編集してお届けします。

意外と書く機会の多いお礼メール

 ビジネス文章で、意外にたくさん書く機会があるのが、お礼メールです。仕事上でお世話になった人に、お礼のメールを出す。これはとてもいい習慣だと思います。

 ただ、注意しないといけないのは、決まり切ったような定型文や慣用句でメールを送ってしまうと、形だけ感謝しているのではないか、などと思われてしまいかねないことです。

 たとえば、図のAのようなメールをもらっても、さて、うれしいかどうか。

「具体的な一行」にアンテナをしっかり立てておく

 あまりにそっけなくて、何も伝わってきません。では、どうしてそう感じるのかというと、「このたび」に関しての具体的な記述がまったくないからです。本当に「このたび」に感謝しているか、わからないわけです。

 それこそ、どんな仕事でも言えてしまうこと。ではもし、先に掲げた図のBのように変えてみたら、どうなるでしょうか。

 たった一行、書き加えるだけで、「このたび」の印象は一気に変わるのです。

 先に、会食のお礼についても触れましたが、これこそが「そのときを共有したときにしか書けない一行」なのです。一行だけ、具体的なことを書くだけ難しいことではありません。

 たった一行、「このたび」「今回」についての具体的な内容を入れるだけです。そうするだけで、その人にしか書けないお礼メールになる。定型的で慣用的、そっけないお礼メールにならずに済むのです。

 したがって、お礼メールを書くことがわかっているなら、あらかじめ、「具体的な一行」にアンテナをしっかり立てておく必要があります。会食に招かれたら、席で聞いた話や、料理などについてのコメントをしっかり記憶しておく。

 一緒にプロジェクトを推し進めたら、とてもありがたかったときのエピソードをメモしておく。受注をめぐって感謝の気持ちを伝えたいなら、最も大変だったことメモしておいて一行書く……。

 難しいことではないのです。印象に残ったことをほんのちょっと記しておくだけです。

 実はこれらも、「事実」「数字」「エピソード(コメント・感想)」の「素材」です。御礼メールでも、「素材」が生きてくるのです。