「具体的な一行」にアンテナをしっかり立てておく
あまりにそっけなくて、何も伝わってきません。では、どうしてそう感じるのかというと、「このたび」に関しての具体的な記述がまったくないからです。本当に「このたび」に感謝しているか、わからないわけです。
それこそ、どんな仕事でも言えてしまうこと。ではもし、先に掲げた図のBのように変えてみたら、どうなるでしょうか。
たった一行、書き加えるだけで、「このたび」の印象は一気に変わるのです。
先に、会食のお礼についても触れましたが、これこそが「そのときを共有したときにしか書けない一行」なのです。一行だけ、具体的なことを書くだけ難しいことではありません。
たった一行、「このたび」「今回」についての具体的な内容を入れるだけです。そうするだけで、その人にしか書けないお礼メールになる。定型的で慣用的、そっけないお礼メールにならずに済むのです。
したがって、お礼メールを書くことがわかっているなら、あらかじめ、「具体的な一行」にアンテナをしっかり立てておく必要があります。会食に招かれたら、席で聞いた話や、料理などについてのコメントをしっかり記憶しておく。
一緒にプロジェクトを推し進めたら、とてもありがたかったときのエピソードをメモしておく。受注をめぐって感謝の気持ちを伝えたいなら、最も大変だったことメモしておいて一行書く……。
難しいことではないのです。印象に残ったことをほんのちょっと記しておくだけです。
実はこれらも、「事実」「数字」「エピソード(コメント・感想)」の「素材」です。御礼メールでも、「素材」が生きてくるのです。