「読まれる文章と、読まれない文章の違いは何なのか?」。気になったことはないだろうか。特集『最強の文章術』の#8では、電通で24年間コピーライターとして活動した、『読みたいことを、書けばいい』の著者である田中泰延氏が「つい、読んでしまう文章にある3つの共通点」について語る。
田中泰延氏は語った
いやぁ、困りました。急にダイヤモンド編集部の加藤桃子さんに頼まれたんですけど、わたしが寄稿する特集は「最強の文章術」ですか?
わたし、そんなこと言われても文章を最強にする方法なんか、わからへんですわ。わかっとったらもうちょっと本、売れるんですけどね。しかも僕に解決策を示してほしいという内容はこれですか。いま読みますね。
はじめまして。ダイヤモンド社の加藤桃子と申します。SNSをはじめとするコミュニケーションツールの発達した現代では、誰もが「書き手」であり「発信者」です。ビジネスの現場においても、文章で自分の意図を分かりやすく伝えることは必須スキルとなっています。
しかし、文章を書くことに苦手意識を感じている人、伝えたいことをうまく文章で表現できないと悩む人が多いのも事実です。そこで以下の3点について考え方をお聞かせください。
(1)誰かの言葉ではなく自分の言葉で正直に言ってよいこと
(2)そのときに相手に“面白い”と思ってもらえるために必要な工夫
(3)そのための具体的な方法
タイトル案は、
「つい、読んでしまう文章にある三つの共通点」
以上です。
田中泰延氏、大いに悩む
えええ。そんなにガチガチに固められましても加藤さん。そんなに外堀を埋められましても加藤さん。そう言われましても加藤さん。お会いしたことがない加藤桃子さん。わたし、困ってしまいますですよ。
そもそも「最強の文章術」って、最初になにか、大きな間違いがあるんじゃないですか。今日はその話をさせてください。
ビジネスの現場で求められる「最強の文章力」というからには、「他人を動かす」ことが成果だと思われているんじゃないでしょうか。そのために「上手に自分の考えを伝える」、そうすれば「他人は動く」、そうお考えですよね?
加藤さん。加藤桃子さん。そんなわけありません。示された三つのポイントについて、カレーライスに置き換えて説明しましょう。
なぜ、カレーライスの話に置き換えるか分かりますか? わたしはカレーライスが好きだからです。