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インキュベーションの虚と実

ピボットは罪か必然か
カン違いせず、大胆にやる事業転換

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第21回】 2013年2月18日
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 デイビッドソン氏は、カズム理論をつくったマッケンナ・グループ出身でもあり、ムーア氏の元ネタをほとんど知っている。加えて、とんでもない博識で、一緒にいると歴史から政治までしゃべりっぱなしでスゴイ奴だ。しかも起業家としての実績は申し分ない。

 ちなみに、Instagramは昨年フェイスブックによる巨額の買収で話題となったが、上記のような事業転換の賜物だ。グルーポンは、メイソン氏がエンジェルからの$1Mを元手に2007年に創業し、様々な支援(例:アフリカのエイズ問題を支援)を集めるスタートアップだった。それがフラッシュ・セールで世界展開するとは、事実は小説よりも奇なりだ。なお、Fab.comについてはSartup Dating「ピボット(方向転換)はいつするべきか?ピボットする時に確認する10項目」、InstagramについてはTechDoll「InstagramのPivot(方向転換)や成功要因を共同創設者が明かす」で、紹介されているので、参考にされたい。

 こうしてリアルな体験を含め、成功例がピボットゆえに生まれたことをみていくと、いかにピボットがパワフルかが分かるだろう。言い換えると、初めからバッチリ整っているスタートアップなど皆無なのだ。

*  *

三つのフェーズでのピボット
パッションをもって大胆に

 企業のフェーズにより、三つに分けてピボットを考えてみよう。

・クイック・ピボット インキュベーターのステージ。プロダクト/マーケット・フィットを追求する。
・ビッグ・ピボット シリーズAの資金調達以降のフェーズ。ビジネス・モデルの有効性を追求する。
・Bet the Farm(成功をもたらすものに有り金を賭ける)ピボット 一旦できあがった会社が転換を図る。

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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