あなたは人からどう思われているか? どうすればもっと良い印象を与えられるか? 印象が形成される仕組みと、印象を良くする魔法のメソッドを紹介した名著『第一印象の魔法』の邦訳版が刊行された。心理学の知見から「言動」と「人に与える印象」の関係性を読み解いた、世界21ヵ国で刊行されるロングセラーの一冊だ。仕事、就活、転職、人間関係、恋愛――。すべての出会いがチャンスに変わる魔法のメソッドとは? 今回は、本書の内容の一部を特別に公開する。

「好きな人」に何を話せば好感を持たれる? 知っていると得する“話題選び”の鉄則Photo: Adobe Stock

人は「同じ価値観を持つ人」に惹かれる

 ここで、話題選びの際に重要な“価値観”の視点についても紹介しておきたい。

 心理学者たちは、「人が人に魅力を感じる理由は何なのか?」を身体的特徴、協調性、知性など、さまざまな要因で探ってきた。

 その結果、人は、日常生活で同じ価値観を持つ人に魅力を感じることがわかった。子育て、福祉、喫煙、趣味などについて日常生活の考え方が似ていると、相手はあなたに魅力を感じるのだ。

 それはなぜか。第一に、自身の正当化につながるからだ。自分が常識的で、世の中を正しく解釈し、未来を正しく予測する能力があると肯定された気分になるのだ。

 もう1つの理由は、自分と同じ考え方をする人は自分を好きになってくれると考えるからだ。あるトピックについて相手に同意すれば、同意しない場合よりも、相手はあなたが好意を寄せていると感じる。あなたに好かれていると仮定するから、相手はあなたを好きになる。

好かれたい相手とは、意見が合いそうな話題を話そう

 だから、好意的に受け止められたいなら、似たような価値感を持っていそうな分野について話そう。相手と意見の合いそうな話題を探るのだ。どんな人でも、「あなたは間違っている」と言われるよりも「あなたは正しい」と言われるほうを好むものである。

(本原稿は、『第一印象の魔法』の内容を抜粋・編集したものです)

アン・デマレイス、バレリー・ホワイト
ファーストインプレッション社の創業者。ともに心理学博士。経営者や企業幹部の「第一印象」のコンサルティングに特化したユニークな事業は、新聞、雑誌をはじめ、BBC、CBSなど、多くのメディアで取り上げられ反響を呼んでいる。世界21ヵ国で刊行、全米ロングセラーの『第一印象の魔法』が日本でも刊行。