あなたは人からどう思われているか? どうすればもっと良い印象を与えられるか? 印象が形成される仕組みと、印象を良くする魔法のメソッドを紹介した名著『第一印象の魔法』の邦訳版が4月12日に刊行される。心理学の知見から「言動」と「人に与える印象」の関係性を読み解いた、世界21カ国で刊行されるロングセラーの一冊だ。仕事、就活、転職、人間関係、恋愛――。すべての出会いがチャンスに変わる魔法のメソッドとは? 今回は、本書の内容の一部を特別に公開する。

「第一印象のいい人」と「悪い人」、その決定的な違いとは?photo:Adobe Stock

人は「ポジティブな人」に引き寄せられる

 ムードは伝染する。あなたも、見知らぬ人のムードに影響を受けたことがあるだろう。不機嫌な店員に気分を害したり、その体験を同僚に愚痴って空気を悪くしたりしたことがあるはずだ。

 意識しているかはさておき、あなたの“気分”は相手に影響する。そして、あなたへの評価や感情、反応が変化するのだ。

 多くの場合、人はポジティブなムードに引き寄せられる。それは気分が上がるからであり、脅威や拒絶を感じさせないからだ。

ネガティブな感情は”一瞬”で相手に伝わる

 人は数秒のうちに、相手にある種の印象を抱くことが研究で明らかにされている。わずかな時間のうちに、体の動きや表情やアイコンタクトを通じて、怒りや喜びなどの感情表現を拾い上げ、反応する。

 また、ネガティブな感情はポジティブな感情よりも速く伝わることがわかっている。人は本能的に、脅威となりうる人、たとえば怒った表情をした人に最も素早く反応するのだ。その情報は原始的な神経レベルで処理され、即座に危険を察知して反応するのである。

 この原始的なプロセスは、現代社会にも受け継がれている。見知らぬ人が不機嫌な顔をするのを見て、命懸けで逃げ出すまではいかずとも、素早く否定的な反応をするのはそのせいだ。

初対面での「最初の数秒の感情」に注意しよう 

 だから、「初対面の人に向けて、最初の数秒間でどのような感情を示すか」は非常に大切だ。

 不機嫌なのは、渋滞に巻き込まれたせいだとしても、見知らぬ人はたちまちその表情を察知する。そして脅威を感じ、歓迎されていない印象を与えてしまうのだ。

(本原稿は、『第一印象の魔法』の内容を抜粋・編集したものです)

アン・デマレイス、バレリー・ホワイト
ファーストインプレッション社の創業者。ともに心理学博士。経営者や企業幹部の「第一印象」のコンサルティングに特化したユニークな事業は、新聞、雑誌をはじめ、BBC、CBSなど、多くのメディアで取り上げられ反響を呼んでいる。世界21カ国で刊行、全米ロングセラーの『第一印象の魔法』が日本でも刊行。