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デート代は男性が出すべきか、割り勘か。定期的に物議を醸す「おごるおごられる論争」だが、男女のお金にまつわるアレコレは結婚後もずっと続いていく。結婚前に男女が話しておくべきお金の話、してはいけないお金の話とは。「破談も離婚も、主な理由はお金だからね」と語る婚活アドバイザー植草美幸氏の著書『結婚の技術』(中央公論新社)の一部を抜粋・編集してお届けする。
真剣交際中に
聞いてはいけない質問
恋愛結婚の方は、相手を好きになっていく過程でお金の話を具体的に進めていくことに抵抗がある人も多いと聞きます。お金の話は多岐にわたりますが、真剣交際中にしないほうがいい話もあります。
「貯金はいくら?」「所有しているマンションのローンはどれくらい残っている?」「投資の資産総額と配当金は?」というような質問は、会話の流れで、本人から言ってもらうのがベストでしょう。真剣交際中でも、興味本位で聞くのはおすすめしません。なぜなら、独身時代の貯金や資産はその人のもので、どこまで家計に入れるかは本人が決めることだからです。
よくあるのが、本人たちがまだ話し合えていないような段階で、親御さんが電話をしてきて「借金がいくらあるのか教えろ」と先走って詰め寄ってしまうようなケースです。
実際の例では、女性側の親御さんが不動産投資を借金だと思って彼を責め立てたことがありました。実際は差し引いて年間600万円もプラスで、利益になっているんですね。さらに、本職で800万円の収入があり、税金対策も兼ねているので責められるいわれはありません。男性としては、何も知らない他人から根掘り葉掘り聞かれて不愉快になってしまいました。好条件の人ほど、愛想をつかしてしまいます。
他にも、相続した戸建ての家を持っている男性に、女性が「戸建てなんて古くなっていく一方だから、さっさと人に貸すか、売ればいい。今ならお金になる」と口を出してフラれたこともありました。両方が同じような資産を持っていて、「私のマンションは売るから、あなたのマンションに住みたい」というのは構いませんが、人の財産に一方的に口を出すのはあつかましいとしか言いようがありません。
「家計は2人でまわす」が
共働き時代のスタンダード
逆に、ぜひ話してほしいのが、夫婦のお財布をどうするかです。
女性から今も根強い希望があるのが、「夫の給料は妻に預けて、家計管理をさせてほしい」という昭和のスタイルです。サラリーマンの旦那さんが給料袋をもらってきて、そのまま奥さんに渡して、「パパのお小遣いね!」と3万円を返していた世界観です。婚活初期は「預けてくれないと言うんですけど……」と嘆く方がいますが、婚活が進むにつれて皆さん価値観をアップデートされます。
実際どういう落としどころになるかというと、共働きが多いですから、収入額に応じて7対3や6対4でひとつの口座に入れて家計をまわすというスタイルです。例えば、手取り年収400万円と600万円だったら、月10万円と15万円を出しあって25万円で家計をまわし、月10万円と15万円を共通の貯蓄にまわして、あとは個人の手元に残す、というような考え方です。なお、金融広報中央委員会の調査では、年間手取り収入の約10~15%を貯蓄にまわす人が全体の約20%と最も多い数字だそうです。
家計の余剰分は、旅行や家電の買い替えなど流動的な出費にまわして、子どもが生まれたら、もう一度見直していくのです。育休産休から時短勤務の時は妻の収入が減りますから、夫ひとりの収入でやっていけるか、ある程度は貯金で賄えるようにしておくか。そういうことを話し合っていただきたいのです。
まとめると、元々持っていた資産や貯金はその人のもので、結婚してからは自分たちの収入からそれぞれ出し合う。そして、個々の収入や財産と、家計のお金は分けて考えるということです。ただ、女性は出産して働けなくなることもあります。男性は自分の子どもを産んでもらうのだから、十分にカバーできるように想定していただきたいですね。
妻が正社員で働いている家庭の場合、これが共働き時代のスタンダードになってきています。全国を見渡すと、専業主婦の女性や、非正規雇用で年収100万円未満の女性もいます。そういう場合は、女性の仕事は子育てになり、パート代は子どもの保育園代とお小遣いになるでしょう。
男性の収入だけでも食べていけるのに、なぜ、それぞれがお金を入れたほうがいいのかというと、家計の不公平感と、家事育児の分担の不公平感が積みあがるとケンカに発展するからです。
お互いの収入に応じて、平等に家計にお金を入れておくと、家事育児の分担にも落としどころが見つかりやすくなります。例えば、6対4でお金を入れていれば、家事育児は数字にはできませんが4対6を目安にしてみましょう、と考えられるはずです。もちろん、収入と働く時間は必ずしも比例しませんから、これが絶対ではありませんが、結婚する最初の段階で、平等に支え合うベースになっていきます。







