ここ30年間、日本人の給料はほとんど上がっていない。
しかし物価もほとんど上がらなかったから、我々は呑気に過ごすことができた。
茹でガエル状態というやつだろうか。
ところが2022年からインフレの波が止まらない。
食費も燃料費も信じられないくらいどんどん上がっていく。
このままでは日本人は飢え死にしてしまうのか? 
いや、こんな時代でもお金を稼ぐ方法はあるはずだ。
話題の書『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』南 祐貴(セカニチ)から、不遇の時代をたくましく生き抜く知恵を学びたい。

素人がラーメン店を成功させるたった1つの戦略ADOBE STOCKS

個人店はコスト面でチェーン店に勝てない

 美味しいラーメンは作れる。しかしラーメン好きの方が自宅で自慢の一品を作り「自分にはラーメンづくりの才能がある! ラーメン店を開業しよう!」と思い立つのは非常に危険だ。なぜなら《原価》の観点が抜けているからだ。

 人気ラーメン店を例に話そう。「はやし田」(株式会社INGS)というチェーンが日本で成長し続けている。美味い、店内の雰囲気が良い、そして1杯800円と安い。「え、知らない」と思うのは当然だ。実は都内で「○○田」という名前のラーメン店が増えている。「ふじ田」「さわ田」「ます田」と、名前も内装もメニュー名も全てバラバラなので一見、個人の名店のように見える。個人店=こだわりの1杯だと錯覚し、美味しそうな気分がする。

 実は「○○田」は全てチェーン店(FC店)だが、あえて隠す(ステルス)という戦略だ。チェーン店の強みは大量生産・大量消費による低コスト化。手間のかかるタレや麺は本部一括で大量に作り、各店舗ではカンタンな調理をするだけでラーメンが完成する。だから原価が抑えられており、1杯800円でも利益が出せる(利は元にあり)。美味しいラーメンに加えて、札束(カネ)で殴られたら、一般人は絶対に勝てない。気になった方は「隠れチェーン店」で検索していただきたい。

「1杯800円」という誰かが作ったゲームステージの上でラーメン店と勝負をしても、一般人が原価競争で勝つことは不可能だ。

 個人の飲食店が勝つには高級化・完全予約制・少量生産の戦略しかない。1杯=2000円で1日100食の限定にし、完売させて希少性を上げる。有名メディアから認められて権威性を得る。高級&希少の憧れ=SNSに載せたくなる贅沢(ぜいたく)を提供する。原価では大手に勝てないのだから、高単価ラーメンというゲームステージを自分で作るRulerになるしかない。

(本稿は、『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』南 祐貴(セカニチ)より一部を抜粋・編集して構成しました)

素人がラーメン店を成功させるたった1つの戦略南 祐貴(セカニチ)
Koru-workers 株式会社 代表取締役
1989年東京都調布市生まれ。2012年に大手広告代理店に入社。約6年勤めて、自由になるため退職・起業。クラウドファンディング等で資金を集めて高輪ゲートウェイ駅の近くに宿泊施設「Koru Takanawa Gateway」をオープン。同時に、経済や投資をわかりやすく解説する「#世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」を開始。マイナビ・ジチタイワークス等の就活・キャリア・資産運用セミナーにて満足度90%を超える人気講師。年間のセミナー視聴者数は延べ5万人以上。各SNSで毎日発信中、総フォロワー数は10万人を超える。YouTubeしゅんダイアリー就活チャンネル等の全SNSの動画は合計4000万再生以上。著書に『世界一面白くてお金になる経済講座』『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』