人工知能(AI)ブームの最前線に立つ米新興企業オープンAIのサム・アルトマン氏(37)は、コンピューターが人間のように会話し、学習する未来を長い間夢見てきた。米ミズーリ州セントルイス郊外にある自宅の寝室で、8歳の誕生日に買ってもらったアップルのパソコン「マッキントッシュLC II」で夜遅くまで遊んでいたとき、ふと気づいた。「いつの日か、コンピューターが考えるようになる」と。アルトマン氏が率いるオープンAIは、昨年11月に生成系AI「ChatGPT(チャットGPT)」を発表。人間のように文章を書くことができる並外れた能力を持ち、テクノロジー史上最も流行した製品の一つとなっている。同社は小さな非営利法人から瞬く間に数十億ドル規模の企業へと成長した。この記録的な成長は、投資家資料によると、部分的には、マイクロソフトからの130億ドル(約1兆7000億円)の資金提供を可能にした営利部門を立ち上げたことによる。
ChatGPT生みの親、アルトマン氏が抱える矛盾
最先端のAI新興企業CEO、仕事は開発とディストピアの綱渡り
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