写真:生ビールで乾杯写真はイメージです Photo:PIXTA

大人のたしなみとして、料理の感想を自分の言葉で表現してみよう。また、「食事の席で役立つ美しい日本語」もたくさんある。ふだん使っている言葉を少し言い換えるだけでも、ぐんと品性が高い印象に。なかでも代表的な言い換え例「8選」を紹介する。

※本稿は小倉朋子『教養としてのテーブルマナー』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

料理を表現する「語彙力」に
マナーと教養が表れる

 私の教室では、毎回、レッスンの1つとしてちょっとしたお菓子をお出ししています。生徒さんがお菓子を食べ終えたら、必ず感想を言ってもらいます。おいしいと思っても、黙って食べてしまうことが、私たちは案外多いものですね。食べたものを、ただ「おいしかったです」だけではなく、自分なりの言葉で表現することで作った人や料理そのものを労う気持ちが養われます。

 基本のマナーを守れることが、まずは肝心です。そのうえで、自分の言葉で感想を表現できるというのは、教養深い大人のたしなみなのです。外食ではお店に対する敬意と労いの表れであり、また、食事を介したコミュニケーション能力の証でもあります。食事の席の語彙力は、磨いておいて損はありません。

 語彙力といっても、一番大切なのは、やはり意識です。

 何となく口に運んでいては、感想など生まれるべくもありませんが、目で、鼻で、触感で、舌で味わえば、何かしら言葉が出てくるはずなのです。

 たとえば、「色合いが春らしいですね」「○○のよい香りがします」「サクサクとした歯ざわりが心地よかったです」「やさしい甘みで心が和みました」など。このとおり、何も難しい言葉を使う必要はありません。