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ビジネスの交流会、懇親会などで立食パーティーに出席する機会もあるだろう。そうした定型のない自由な場は、各々の品格がもっとも表れやすい場といえる。へたをすると無粋なところが次々と露呈し、まわりの人に良識や人格まで疑われることにもなりかねない。
「部長ありがとう!」の歓声は…
「みんな」のために大間違いをおかした男性
ある企業が開催した異業種交流パーティーに参加したときのことです。ビュッフェのオードブルの1つに、伊勢海老のテルミドールがありました。半身に割られた殻の中に、一口サイズにカットされた身がピックに刺さって並んでいます。
こういう場合、身だけを一切れから数切れ取るものなのですが、私の前にいた男性は、殻ごとトングでつかんで、半身を丸々すべて取っていきました。数名の女性同行者がいるらしく、「部長ありがとう!」などと歓声が上がっています。
男性としては、おそらく一緒に来ている「みんな」のために取った行動。でも、いかに配慮にも品性にも欠ける行為かおわかりでしょう。こうした身勝手な専有行為が繰り返されると、会場にいる「みんな」の分がなくなってしまいます。
ちなみに、その直後、同じ男性が同じ素振りを見せたので、コソッと「みんなの分を残してくださいね」とその男性だけに聞こえるよう(恥をかかせないよう)ささやくと、なんと! 聞こえないふりをされました。
立食パーティーのメインは人と交流すること
共有の場だからこそ、互いを思いやる
ビジネスの交流会、懇親会などで立食パーティーに出席する機会もあるでしょう。
特にマナーはないだろうから気楽と考えていたかもしれませんが、実は定型のマナーが少ないからこそ、立食パーティーは難しいのです。
定型のマナーとは、いってみれば、「お互いにこれさえ守っていれば全員が不公平にはならない」という親切な取り決め、共通の約束事です。
そうした定型のない自由な場は、各々の品格がもっとも表れやすい場といえます。へたをすると無粋なところが次々と露呈し、まわりの人に良識や人格まで疑われることにもなりかねません。特に立食は、参加者全員で共有するものが多いので、お互いがお互いを配慮する必要があります。この点を私は大切に考えています。
裏を返せば、立食パーティーのようなランダムな場で美しく振る舞える人は、マナーというものの本質を理解し、ナチュラルに体現できる人ということ。みなさんには、ぜひその域を目指していただきたいものです。
まず心得ておいてほしいのは、立食パーティーの主役は料理ではなく、人々とのコミュニケーションである、ということです。
これまでにも、「相手のある食事はコミュニケーションあってこそ豊かなものになる」とお伝えしてきましたが、特にビュッフェでは重要なポイントなのです。







